山田玲司さんの大人気AM連載の書籍化を記念してお送りする、はあちゅうさんとの対談レポート第3弾!
今回は「臆病な男」について、お二人それぞれの考えをお話いただきました。
臆病な男の懺悔の章
――山田さんの連載を読んでいると、男性ってかっこつけていているけど、中身は臆病なんだなと思います。
はあちゅうさんは、臆病な男性についてどう思いますか?
はあちゅう:たしかに、女性よりも男性の方が臆病ですよね。
女性は会話で共感を得るっていう感情的なコミュニケーションを小さい頃から養ってます。それに対し、男性は周りに対してカッコつけなきゃいけない環境で育ってきていると思います。
だから付き合っている相手でも、男性は本音を出してくれるのが遅いですよね。親しくなった気がしても中々本音を出さない。きっとカッコ悪いところを見せたら嫌われちゃう、っていう臆病な気持ちからくるんだろうなと思います。
でも、そういう人ほど話を聞いてあげると喜びますよね…。
山田さんはどんなときに自分の臆病さを自覚します?
山田:常にだよね(笑)。
なんだろうな。臆病にならない方がおかしいんですよ…女の人の本当の怖さを知ってしまってるんで(笑)。
でも、怯えているだけなのも情けないんで、女の人には基本的に降伏(surrender)してます。
サザンオールスターズの歌で、『あっという間の夢のTONIGHT』って曲があるんですけどね。
その曲は「I Surrender(降伏したら)」は「愛されんだー」って事を言ってるんですよ。すごく分かるんだよね。降伏したやつ、白旗上げたやつは愛されるよっていうのを桑田さんは80年代半ばの曲でさりげなく入れてるんですよ。
案外男はそれが出来ないんです。
「カッコ悪い俺」とかを演出してる男も、本当は女に勝とうとしてるんですよね。
はあちゅう:そう思います。カッコ悪い俺を演じて、それも彼のなかのブランディングだったり。「ダメな俺」が好きなんですよ。
あとは、男の人って独自の思い込みが多いと思うんです。
例えば、既婚者の人って結婚していることを隠そうとしますよね。女の子は、既婚に関係なくお付き合いしたいと思ってるから、隠してほしくなかったりする。
あとは年収の話になると、女の子は低く見積もるんですけれど、男の人は上の方にサバを読むんですよ。
女性は男の人が思うほど年収って気にしないと思うんですけれど、男の人の方が年収とか学歴とか、社会的ステータスで勝手に見得を張って自爆する。
山田:バカだよね。それでいうと、なんで男子たちが仮面ライダーを好きなのかなって考えたの。変身すれば仮面を被れるからだね。自分をいったん隠せるんだよ。それに加えて色んな武器も持てる。
はあちゅう:完全に変身したいんですね。
山田:変身したら戦える。素じゃ戦えない。だから変身ヒーローって昔からあって、いい大人になってもライダーファンは不滅なんです。
はあちゅう:そうですね。確かに女の人のヒロインの方が、わりと生身で戦いますね。
山田:女の人もちゃんとメイクをして、武装はしているんですよ。
でも、女の人の武装は、「私」としての武装なんだよね。「私ライン」をがーっと上げて「今日は完璧な私」っていうところまでもっていく。すでにそこで変身しているんだよね。それで表に出て行く。
男はそれができないよね。なかなか難しい、男の武装は下手くそだからさ。
いや、逆かな。武装が下手なんじゃなくて、女の人は勘がいいから見抜かれちゃうのかも。
はあちゅう:そうですね。ちゃんと舞台装置があったら男の人も弱くなれるのかもしれないですね。本音が出やすいお酒は、男の人のための舞台装置な気がします。
山田:そうなんだよねー。あと、おだてられたらすぐに乗るからね。「すごいですね」とか「教えて下さい」とか女の人に言われたら、嬉しくなって、だんだんガードがゆるくなって怪我をするっていう。裸にされているのはいつも男だ(笑)。
はあちゅう:そう考えると憎めないかわいい生き物なんだなって。
山田:そうなんですよ。そう思ってほしいんだよね。女の人に「いろいろバカなことをするけれど許してほしい」って思ってるのが男なんですよ。
はあちゅう:懺悔の章なんですね、これは(笑)。
山田:そうなの。ごめん、実は懺悔の章…(笑)。
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