背伸びしない不倫デートは、ご予算2000円

不倫が普通の恋愛と違うのは、将来の関係が保証できないこと。その代わり「かけがえのない今」へたくさんお金を使います。高級ホテルでのディナー、隠れ家バーでのひと時。たまには1泊限りのスイートルーム。
私が“アラサー以上”から聞いてきたのは「かけがえのない今」をゴージャスに彩る恋愛関係でした。

しかし、ゆとり不倫は根本的に違います。
まずディナーの予算は1人2000円。東京都では厳しい!1杯290円で飲めるホルモン焼き屋くらいしか思いつかないっ!

ゆとり世代は不景気世代だし、貧乏だからこうなのか?と職業を訊いてみると彼女は士業で堅実に働くバリキャリさん。足元を見た私を見透かすように、「だってカジュアルなお店の方がラクじゃないですか」と再度言われてしまいました。

「ら……、ラクってどういった意味合いがこもってます?」

「無理しないっていうか、長く続けられるって意味かもしれません」

「長くって、たとえばどれくらい?」

「具体的には考えてないですけど、ラクに不倫できるうちは、ですかね」

ゆるっ!またしてもゆるっ!

彼への深い愛情よりも「ラクに続けられる」からと不倫を続けるゆとり不倫ちゃん。まるで不倫がダイエット法みたい。でも、不倫って始めるのも続けるのも結構大変ですよね。何でそんな「ラクじゃない」ことを彼女はわざわざ始めたんでしょうか?

「え~、(不倫は)ラクでしたよ。夫といまさら恋愛するなんてムリだし、不倫のほうがラク。不倫相手のことも好きだけど、そんな深い関係じゃなくって……。ちょっと恋愛したいサークル、って感じです」

し、知らなかった……不倫って【ちょっと恋愛したいサークル】の気軽な交流だったんだ……夫と恋愛するよりラクだから、手軽な相手とファミレス不倫するんだ……。

ん?

我に返りました。「夫といまさら恋愛するなんて、ムリ」?ここまで触れてきませんでしたが、実はこのゆとり不倫ちゃん、結婚1年目の新婚です。いくらなんでも、夫と恋愛をするのはムリって言い出すには、早すぎやしませんか?

「旦那様と、恋愛がムリって思うのはなぜですか?」

この答えは、とても、衝撃的でした。

(続く)

☆個人情報保護のため、一部内容を編集しています。予めご了承ください。
☆次回は「ゆとり不倫ちゃん」世代の夫婦観と不倫に繋がる背景をご案内します。

Text/トイアンナ