終わりに近づいても止まらない恋
でも、彼女の恋愛もいつかは「ゲームクリア」されてしまいます。
不倫とはいえ、何年も関係を持ったら相手のほとんどが見えてしまうでしょう。現に、彼女は1人の相手との不倫を1年以上は続けていませんでした。
もし終わりが見えていて、その時に相手が去ってしまうなら、いくら「真実の愛」でも辛すぎやしませんか。「そして王子様とお姫様は、末永く幸せに暮らしました」は存在しないんでしょうか。
彼女は答えます。
「でも、すごい小説って、”読めば終わりに近づいてしまう・・・・・・!”と思いながらも、手が止まらないですよね」
たしかに。
もし「最高の恋愛」がこの世にあったら、どんな理由であっても、相手に会うのをやめられないかもしれない。私が不倫をしていないのは、たまたま“同じ相手に愛されないと無理”という性格だからで、愛さえあれば、走り出すのかもしれません。
不倫の女王が隠した「秘密」
心がずっしりと重くなり、私は帰路につきました。「妻を愛さなきゃ」と思う男性ほど、愛する義務に疲れて不倫に誘われる。不倫をする男性には、愛妻家も多いと聞きます。
彼女からこの話を聞いたのはもう数年前。
ですが、最近、当時の知り合いに話を聞いたところ、彼女は1つ大きな秘密を隠し持っていました。それは、実は不倫ではない彼氏がいて、結婚する予定だということ。もちろん、その彼は、彼女が不倫の女王様であることを知りません。
彼女は「いつかゲームをクリアしたときのように、愛を失う」運命を噛みしめながら結婚するのでしょうか。それとも、愛を「彼氏以外」で外注し続けるのでしょうか。
いまもう一度、話を聞けたら真実の愛の答えがわかるのかもしれません。
☆個人の特定を避けるため、職業や場所を一部改変しています。ご了承ください。
☆次回は「20代前半から不倫を続けるアラサー美女」編です。
Text/トイアンナ
初出:2015.07.23