どうにもとまらない
私自身は中の上くらいの愛嬌のある顔であったというのもありますが、整形には手を出しませんでした。
整形はあまりにも強い成功体験を与えてしまい、その成功体験を再び味わうため、際限のない修正の旅が始まっていくと本能的に知っていたからです。
今まで、沢山の芸能人、セレブの方々がその旅に出られて、だんだん大変なことになっていきました。
メンテナンスにも費用がかかります。私はそのお金を他のことに使いたかったのです。
そして整形は、センス、ユーモア、インテリジェンスを表現する最大の武器である顔の表情を奪います。私はショーガールでもあったので、表情は失いたくなかったのです。
それでもイイ!
と振り切って整形を始めた人は気合が入っています。
私はそこにその人の心意気を感じ、
私が選ばなかった道を進む人として、思わず敬意を払ってしまいます。
これも一種の断捨離、取捨選択です。
美男・美女を優遇する社会が悪いのか?
それは人間の動物としての本能なのか?
21世紀になっても人間は本能に振り回されるのか?
美はもっと多様なものではないのか?
美醜の問題は人間の本能や成熟度を考える格好の教材です。
あなたなら、どういう選択をしますか?
Text/肉乃小路ニクヨ