暗い水の底から空へ
 さて、ここまで凄い熱量でみゆきさん愛を語ってしまいましたが、そんな四半世紀の中でも、今年の夜会は出色だと思ったから2回も観に行ったのです。
 夜会のチケットは安くありません。普通の席で2万円もします。
 しがない女装の私が年末の物入りな時に4万円の出費をしてまで観に行ったのは、私が今出会いたい考え、言葉に出会い、それを胸に確かに刻み付けたいと思ったからです。 
  セットリストは公表されているので
 具体的に言うと国捨て~India Goose のシークエンスの所です。
 その中でみゆきさんは国の恥とは? 身内の恥とは? 心の恥とは?
 と言うことを問うていました。
 私も女装をすることで家族から身内の恥と責め立てられたり、昔は学校の恥と言われたりしたこともありました。
 自分の足りなさを恥じる羞恥心というのは忘れてはならないと思いますが、なんでこんなに言われるんだろうと思ってもいました。 
  人に喜んでもらったり、楽しんでもらったり、心を動かしてもらったりする仕事で、 楽しいし、良い仕事だなと思って続けているのに、
 ひどい言われ方をされるからには何かあるのかもしれないと、自分で自分の翼を窮屈なところに閉じ込めてしまっていたところもありました。 
  でも、女装も20周年を超えて、今年は42歳です。
 極端な話、いつ死んでもおかしくはありません。
 昨年末の夜会では身内に恥と呼ばれても、国に恥と呼ばれても、もっと沢山の人に喜んでもらえる人になって良いんだ。という強いメッセージを貰いました。
 人生のターニングポイントになる言葉でした。
 そう考えると費やしたお金も安いと思えます。
 私もまだ拙いところばかりですが、そんな言葉を紡げる人になりたいと思った41歳の冬です。 
Text/肉乃小路ニクヨ
 次回は <恋愛にも仕事にも、勝つためにはライバルの少ないブルーオーシャンを進め>です。
モテる男性ばかり好きになってしまい、いつもセフレ関係に終わる。仕事で高望みがやめられなくて、なかなか満足ができない。そんな人たちに勧めたいのはレッドオーシャンで戦うのをやめること。ちょっと年上の男性を狙えば、あるいはみんなしたがらないような仕事を選べば、その場所でなら勝つことができるのかもしれません。
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