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  • 2017.01.17

LGBTに理解のないお母さん、ありがとう!親非公認ニューレディーの生き方

お正月に実家に帰ったニクヨさんが経験したのは、ニューレディー活動を認めてくれない母親との喧嘩でした。結婚しないなら子どもは?お墓はどうするの?家系が途絶えていいの?と、毎年繰り返される母親の質問責め、喧嘩……。しかし、そんな無理解な親に今となっては感謝しているというニクヨさん。いったいその理由とは?

肉乃小路ニクヨ 恋愛 ニューレディー おネエ 淑女
by Franck Michel

 ニューレディーというやくざなことをしている私ですが、お正月には実家に帰るようにしています。
実家の母は私がニューレディー活動をしているのを知っています。
そしてそれは別に親公認ということを意味しているわけではありません。
私は帰る度に親からこっ酷く、質問責めや、糾弾、罵声の言葉を浴びせられます。大体喧嘩をして、東京に帰ることになるのです。

 もう何回こういうことをしているのでしょうか。
ただ、父がとうの昔に亡くなって、年老いた母が一人で暮らしていると、何かと男手が必要なケースもあり、その都度私は帰っています。
大学まで育てて貰った恩はありますし、長男としての義務も感じています。
だから酷い言葉をぶつけられるとしても、帰ることにしています。

 世の中にはLGBTに理解をしてくれる親もいると言うのにどうしてだろうと思うこともありましたが、今となっては無理解な親に感謝しています。
だって私の壁となって、厳しい世間の代表をやってくれたから。

 そのおかげで私は論理的に考えるようになったし、この先の人生をどう生きようかということも、この先どう死ぬかという所までも考えました。
その壁を越えるために私は鍛えられ、生きる覚悟ということを考えるようになりました。
まったくありがたいことです。
でも話はいつも平行線です。

お一人様の代償

 今年のお正月も結構なことを言われました。
このまま結婚をしないのなら、お墓はどうする?
あんたも死ぬ時どうする?
と問い詰められました。
何故か芸能関係のゴシップ事情に詳しい母はあの人もそうだったという論理で私に偽装結婚を勧めてきます。
今年は、お風呂場で倒れて死んでいるのを偽装結婚で出来た子供に発見されたという大物俳優の方を例に出していました。

 子供は欲しいなとは思う私ですが、今の状態で偽装結婚をしたいという欲求はありません。
母の分はちゃんと看取ってお墓に入れるということ、維持が難しくなる前に墓じまいをすることを話しましたが、お家断絶で先祖は喜ぶのか?という質問が来ました。

 私は人間の歴史で家系が途絶えた例は沢山ある、いや、ほとんどがそうであるという話をしました。
何代も家が続くようになったのは、ここ数百年の出来事で、しかも戦争などがあった時にはかなりの数が断絶していると答えましたが、そんなことは屁理屈だ、周りはみんな家が続いていると言われました。

 話が平行線になったので、では断絶は不幸なことなのか、いけないことなのかという話をしました。
色々な理由があって子孫が残せなかった人がいて、それは仕方のないことで、悪いことでは無いと言いました。

 そもそも自分が死んだ後まで、私達は現世に執着するのか?
先祖は家がずっと続くことを本当に願い続けているのか?
私達は先祖が願う通りに生きなければならないのか?
死んだ先祖もずっと私達を監視し続けているのか?

 いつもは聞き流す私ですが、今年はがっつり逆質問をして、
「私は死んだ人のために生きてるのではない」
と啖呵を切って帰りました。
大人げない。

無理解は一人で生きる覚悟をくれるチャンス

 思えば子供の出来ない優しい伯母を親戚がネチネチいじめていた時から私は違うと思っていました。
ただ、世間というものには私の親戚と同様の考えを持つ人がとても沢山います。
だからと言って、私は結婚や出産を否定的にも捉えていません。
私の友人にもちゃんと結婚して、子供が居て、幸せな人も沢山居ますし、そういう幸せもあるのは理解しています。

 でも税金を納め、若い人達を育てることに参加している人達にも、一人で幸せに生を全うするという選択があっても良いと思うのです。
私の思い上がりでしょうか?

 私がニューレディーと名乗るのも、新しさが意味する何かに期待をしているからです。
今無ければ、新しく作れば良い。

 そんな覚悟と決意を固めた年始でした。
改めて壁になってくれている母に感謝です。

Text/肉乃小路ニクヨ

次回は <自称・尽くすタイプの女の傲慢さはどうしたらいいか>です。
尽くすことを至上の喜びととらえ、彼氏や彼氏未満ヒモ以下の男の人に家事をしてあげたり、ごはんを奢ってあげたり、現金を手渡したりしていませんか? でもそれは本当に好きな人のためになっているのでしょうか? 友達に「あたしって尽くすタイプなんだよね」と自虐トークするのが、本当は気持ちよかったりしませんか?

ライタープロフィール

肉乃小路ニクヨ
東京の片隅でひっそり生き続けるちょっぴりしょっぱくてサワーなニューレディー。オーバー40歳、崖っぷち女装

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