「別れなよ」とは言わないけど背中は押したい
結局、モラハラ彼が参加するのは阻止した上で、突然彼が参加しようとした理由を聞きだしたところ、「俺も参加させろ」と脅されたわけではなく、「ひとりでご飯食べさせるのは可哀想だから、一緒に連れて行きたい」というのは彼女の本心だったことを理解して、なんのために彼女に会いに来たのか、と脱力。
「殴られるけど、別にそれは大丈夫。彼に罪悪感を持たせるために、わざと殴らせてるから」という明らかに大丈夫ではない詭弁を聞きながら、その日はぐったり疲れて、帰途へとついたのでした。
わたしの周囲には、モラハラ男の落とし穴には落ちても、なんだかんだいって最終的には決別し、その後は経験を教訓として、男性に支配されない人生を送るようになった女性が多いので、そこが救いでもあるけれど、一方では時折、「あいつに費やした時間とお金と労力、無駄だったなぁ」なんて思わないこともない。
もしも、誰かひとりでも一歩だけ踏み込んで、「あの人はモラハラだよ」って言ってくれたら、もう少し早く自由になれていたし、負った傷も浅かったのではないかと思うのです。だから「別れなよ」とは言わないけど「わたしはモラハラの恋人と別れたら、『なんでもっと早く別れなかったんだろう』って思ったよ」と、別れの勇気を促すことだけはしていきたい。
Text/大泉りか
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