「息子の真似」ブーム
ここ最近、息子(1歳9か月)のボキャブラリーが、にわかに増えてきました。
たとえば「カーシーテー、イーイーヨー」。おもちゃや絵本などを「貸して」と言い、相手が「いいよ」と答えるコールアンドレスポンスのはずが、息子の中ではそのふたつがセットになっているらしく、「カーシーテー、イーイーヨー」といいながら、わたしの手からペンやタッパーなどを容赦なく奪っていきます。
ほかにも「パパネンネ。ゴゴゴゴゴ」といびきの真似をしたり、「チンチン」と言いながら股間を叩いたりなど、想定外のベシャリを披露してほっこりと笑わせてくれるのです。
そんな我が家で、ここ最近ずっとブームとなっているのが、「息子の真似」です。
たとえば、夫を起こすときは「オー、キー、テー」と息子を真似て棒読みで声をかけ、何かを頼まれたときは「イイヨーッ、イイヨーッ」とわざと言葉足らずでしゃべる。すると、互いの顔に自然と笑みが浮かび、「あいつ、本当に可愛いよなぁ」とほんわかとした雰囲気が漂います。ただの日常的な声掛けや会話が、途端にユーモラスになるのです。
夫に「お願い」するコツ
さらにまだ、息子の真似をするメリットがあります。わたしの殺伐さを和らげることができるのです。
そもそもわたしは、あまり柔らかい雰囲気を持った人間ではありません。どちらかといえば、せっかちで早口で強い口調の持ち主です。とくに夫に家のことを頼むときは、忙しさでさらにつっけんどんになりがちなことは、自分でも薄々気がついています。
けれど、これを直すのがなかなか難しい。意識して優しい口調にしようとしても、そもそも優しい口調というものがよくわからないのです。
ところが、息子の口調を真似してしゃべると、キツさもそっけなさもおのずとなくなります。代わりに甘えた雰囲気が出て、夫に「命令する」のではなく「頼む」ことが自然にできる。我が家のことについては、司令塔はわたしだと思っているので、別に命令してもいいんですが、される側としてはやっぱりキツく「命令」されるよりも、ソフトに「お願い」をされたほうが、気持ちよくできるように思えます。
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