母親になっても「これまでの自分」でいるのは大変
けれども、夜、ひとりで出かけるだけでもそう簡単にはいきません。なんせバーを経営している我が夫は、毎晩、店のカウンターに立っているので、夜は家にいないのです。おまけに祖父母にも頼れない。
唯一の方法は、育児を外注してしまうことです。具体的にはファミリーサポートという区の子育て支援(わたしの住む中野区の場合は、平日1時間800円、土日祝は1000円で夜中の0時まで、自宅で子どもの面倒を見てくれるのです)に登録しています。これは、夜に飲みに行くときに重宝しています。さらに、一時預かりが利用できる保育園を探したりと、状況を出来る限り整えました。
しかし、それでもやはり大変です。たとえば、保育園のお迎えの時間以降に仕事が入った時は、夫が迎えを代われるか事前に確認しないといけません。もしそれも無理なら、園の延長保育の手配が必要。ただ飲みに行くだけでも、事前に日程を決めて、わたしが夜いない間に息子の面倒を見てくれるファミサポを手配し、息子が熱を出さないことを祈りながら(熱があるとファミサポは利用できないのです)当日を待つ、という準備が、最低でも必要なのです。
どうです、面倒くさいでしょう? ですから、ちょっとでもネガティブになると「やめておこうかな」「お金や労力を費やしてまですることなのかな」という気分に。けれど、「ここで折れては後で後悔する!」と自分を奮い立たせる日々であります。
こんなふうに、親になっても“これまでの自分”をキープし続けるためには、相当な努力と気力が必要です。それなのに、夫側はしれっと「来週、友達とプロレス観に行ってくるから」で済まされるのが、羨ましいし、憎たらしいったらありゃしない。
けれども、羨んだところで、夫は「え? だったら君も行けばいいじゃん。そのための協力はいくらでもするよ!」というポジティブな性格の持ち主。なので「あなたも控えて」ではなく「わたしも出ます」という形にしてバランスを取っているのが我が家のやり方なのです。