「セックスが先」と決めたら磨くべき力
しかし、『ミッション:インポッシブル』について十分に語り合った後、セックスをすることは、わたしには難しかった。その最大の原因は、わたしの北関東流の喋り方と、酒に焼けすぎた声にあると思っています。そのふたつのせいで、ふるまいに可愛げがなく、初対面の男性には、頭から拒絶しているように思われがちなのです。
その問題を解決するために、気に入った男性がいた場合には、大げさなほど距離を近づけることにしました。具体的には、ボディタッチをする、相手を褒める、イチャイチャするなど。
こうしてウェルカムな態度を示すことで、ようやく「拒絶していない」とわかってもらえる。でも、薬も過ぎれば毒になります。男性にもれなく「こいつ、俺とヤリたがってる!」と思われてしまうのです。
しかし、それも男性側の勘違いとは言い切れません。わたしがその相手のことを気に入っていることは確かなのです。というわけで、気に入った異性と近づくパターンとして、まず最初にセックスが来ることになりました。
これは、わたしに限っては成功でした。セックスをしたことで、ぐっと距離が近づいて、親密な友達や、友達以上恋人みたいな気の置けない関係になってよかったなってことのほうが多いのです。何度かそういう関係を続けるうちに、「気が合うから付き合おうか」となったこともあります。
もちろん、世の中には「セックスはしたいけれど、女性とのコミュニケーションを求めていない男性」や、「セックスはしたいけれど、簡単にセックスをさせてくれる女性のことを軽蔑する男性」というのも存在します。そういう人は、もちろんセックスの後に『ミッション:インポッシブル』の話なんかしようとはしません。むしろ、一刻も早く帰ってくれといわんばかりです。
セックスがよほど良ければ、まだ割り切ることも出来ますが、そういう男ってセックスもおざなりでよくない。目の前の女性に興味なんてひとつも抱いていないのだから、当然です。
そういう男性とうっかりイタしてしまうリスクはあるけれど、それくらいはベッドに上がるまでに見抜けるし、もしも見抜けなかったとしても、気にすることなんてありません。そんな事故は、酔っ払って自転車に乗っていたら、うっかり電信柱にぶつかっちゃったくらいのこと。
ただし、電信柱に当たって大怪我することもあるので、注意は必要です。こうして「先にセックスをする」と決めたわたしが磨くべきは、小手先のモテテクではなく、「人間として興味を持ってくれる人かどうか」を見抜く力ではないかという結論へと達したのでした。
――次週へ続く
Text/大泉りか
次回は<あなたに人間としての興味を持ってくれる恋人の見つけ方>です。
あなたが恋人に求める条件は何ですか?優しさ、外見…いろいろあると思いますが、大泉りかさんの場合は「人として興味を持ってくれること」。理想の恋人を見つけるためには、どんなことを大切にすればいいのでしょうか?
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