先輩彼氏を振り回す彼女
無事にモンチッチと付き合うことになって万々歳だったO先輩は、なぜか彼女であるはずのモンチッチにそっけない態度を取られ続けたのです。それに悩んだO先輩は、わたしに「ねぇ、モンチッチちゃんって、なに考えてるのかな」と相談するために、昼休みになると、わざわざ学年が1つ下のクラスにやってきました。
おかげで、権力ある女子生徒の怒りの矛先は、モンチッチだけでなく、日々O先輩に呼び出されているわたしにも向きました。こうして、わたしはクラス中にハブられることになったのです。
いま思うと、わたしも含め全員、頭の悪い行動しかしていないと思うのですが、当時はまだ中学生なので致し方ありません。けれど、モンチッチがO先輩を振り回すことさえしなければ、もしくは、最初の段階できっちりと振ってくれていたならば、わたしはO先輩の相談相手にされることもなく、逆恨みを買うこともなかったように思えます。
でも、ひとつ年上の先輩に告白されたら断りにくい気持ちもわからなくもないし、付き合ってみたものの、テンションがあがらないということも、よくあること。すべてはタイミングが悪く、たまたま歯車がおかしくなってしまっただけのことです。
そして高校時代の恋愛
そしてわたしと彼女は中学を卒業すると、同じ高校へと進学しました。中学時代は一番の親友というポジションだったけれど、高校では、クラスが違ったことや、彼女が硬式テニス部に入部した一方、わたしがギャルグループに属することになったこともあって、少し距離が開きました。けれどまったく関わりがなくなったわけではなく、たまには、一緒に遊ぶこともありました。
さて、高校1年生の夏休み。はっちゃけるぞ、処女喪失するぞと意気込んでいたわたしは、としまえんのプールでナンパをしてきた同じ年の男の子と、付き合うことになりました。
彼は“ご学友”として有名な私立高校の生徒で、しかも内部進学のお坊ちゃまでした。そして童貞でした。わたしも処女です。だから、セックスを何度か試みたものの、挿ったような挿ってないような。先端くらいは挿ったけど、根元までは埋まっていないし、彼も射精はしていない。けれど血は出た。そんな初体験もどきを経験した夏が終わり、秋になった瞬間、彼が突然冷たくなったのです。
彼に電話で「ごめん、他に好きな人が出来ちゃった。別れよう」と振られたわたしが、同じギャルグループの女友達に「振られちゃったよワーン!」と泣きつくと、「えっ、あっ、やっぱり……!?」と謎めいた返事が気まずそうに返ってきました。
「なにその反応」と問い詰めると驚きの事実が発覚。モンチッチがお坊ちゃまとデートしてるところ、目撃したってさ!
長くなったので、来週に続きます。
Text/大泉りか
初出:2018.06.16
次回は<人の男を奪う「魔性の女」には2種類いるのかもしれない>です。
あなたの周りに、友達の彼氏ばかり好きになる女はいませんか?人の恋人を奪う「魔性の女」は、なぜ他人のパートナーばかり気になるのか?中高時代に何があったのか?大泉りかさんが実体験から分析します。
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