求めていた3Pで憂き目に陥るも……

 願っていれば夢は叶うもので、ある時、望んでいたような3Pをする機会に恵まれました。相手は昔していたバイト先の先輩とその男友達。先輩のほうは日本人ながら、キアヌリーブス似のイケメンで、もうひとりは細身の童顔ファニーフェイスという理想的なコンビです。「家で飲むから遊びに来ない?」と誘われて、なんだか盛り上がってそのまま3Pに突入してしまったのです。
 いざ3Pが始まって見ると、二人はずいぶんと手慣れていていました。片方がクンニをしている最中は、もうひとりは後ろから乳を揉みしだき、一方がバックから突き挿せば、もうひとりは顔側に回ってフェラチオさせる、というふうに、やたらと息の合ったコンビネーションでセックスが展開していきます。3Pユニットというに相応しいふたりの振る舞いに、わたしは大船に乗った気持ちで身体を預けていればよく、「これぞ求めていた3P」と思ったのもつかの間、現実はそんなに甘くはなかったのです。

 というのも、我々は3Pに至るまでに少々酒を飲み過ぎていたのでした。ゆえに、二人とも感度が鈍り、まったくイケそうな様子がないのです。これが1on1のセックスならば「ごめん、今日、ちょっと無理かも……」と男性側が言い出してくれて、さらに男気のある人ならば、「君だけでもイって欲しい」とばかりにクンニなり手マンなりでイかせてくれるのですが、なんせ3P。男同士、「面目を保たないといけない」という気持ちがあるのか、互いにペニスにこだわって、頑張り続けます。
わたしのほうも、このままいけば、まさかのふたりとも不発に終わるのではないか、ということが気にかかって、気持ちよくなるどころではありません。そうこうしているうちに、どちらかが「……ごめん」とギブアップし、続いてもうひとりも「俺も……」とリタイア。ただでさえ気まずい中折れムードが×2という居た堪れない状況に。しかも当のわたしもイケておらず、まさか3Pまでして誰もイっていないという憂き目に陥ったのですが、それでも気持ち的には満足でした。

 なぜなら、十分に「モテ」な気分は味わえたからです。そう、わたしが3Pに求めていたのは、複数の男性から求められるという「モテ」の気分を味わせてもらうことだったのだと、ようやく気が付いたのでした。別にイけなかったことも、二人がイかなかったことも、さほど気にはならなかったのは、「モテ」欲が満ち足りていたからなのです。そんなかつての記憶を思い出したのも、最近モテてないせいでしょうか。まぁ、昨年は腹ぼてだったんだから当たり前といえば当たり前なのですが……。

Text/大泉りか

次回は<「こんなキモいオジサンにヤレると思われてる?」オジサンと会う前に読みたい話>です。
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