キャバクラでの私の立ち位置と千葉の巨根
高校を卒業して一番嬉しかったことは、なんだったかというと、「堂々と、キャバクラで働けるようになった」ことでした。
なんせそれまでしていたまともなバイト(近所の蕎麦屋)は時給750円。援助交際バブルの真っ只中で、オジサンとセックスすれば最低三万円から、時には十万円も貰えることがある、といっても、それを定期収入と考えるには、不安定でしたし、そもそもが、好きでオジサンとセックスをしていたわけではないこと、「なんとなくの罪悪感」や「親や彼氏や友人にバレるリスク」、を考えると、出来れば別の手段で収入を得る方法を持ちたいと常々考えているわたしにとっては、二千円、三千円の時給がいただけるキャバクラというのは、願ってもない存在だったのです。
というわけで、いざ、キャバクラ。
以前も書いたように、指名客がなかなか取れなかったわたしが選んだのは「指名を持っている先輩キャバ嬢の妹分」として、ヘルプとして重宝される立場を取ることでした。「いい加減、あまり話すこともない馴染みの客との席に呼ぶと、場が持つコ」を目指し、先輩キャバ嬢のテーブルについた時は、とにかく、「先輩キャバ嬢と指名客のカップル」と「わたし」という構図を作って、ふたりを盛り上げる。ポイントはなるべく色気を出さずに「このコなら指名替えされない」という安心感を先輩キャバ嬢に与えること。例え「今日、アフターしない?」などと、誘われても、その瞬間に先輩キャバ嬢に言いつけて「アフター、一緒だったら行きます!」とあくまでも先輩キャバ嬢から「可愛がられる後輩」を目指したわけです。
これは意外と成功し、そのうち、先輩キャバ嬢からも「あのコ、場内指名で呼んであげて」と声が掛かるようになりました。そして、先輩キャバ嬢を指名しているお客さんたちとも、だんだんと打ち解けて、「彼女の妹」のように可愛がって貰えるようにもなった。そんな馴染みのお客さんのうちのひとりに、Mさんという男性がいました。
Mさんは、40代後半。両親が某企業の社長とかで、本人もその会社の役付き。なかなか羽振りのいいお金の使い方をする人でした。が、どことなく強面なところもあり、「ちょっと素性が怪しい人」という空気を出していました。
その頃、わたしは、千葉のヤンキーと付き合い始めたばかりでした。出会いはナンパで、ヤンキーなところは微妙だったけれど、ものすごい巨根の持ち主。女性の二の腕くらいの長さと太さなんですよ!物珍しさもあって、セックスしたついでに付き合ってみたものの、正直なところ、わたしも、そして向こうもピンとは来ていないことは確実で、電話しても会っても全然盛り上がらない。
だから、「次にいい人が現れたら別れよう」と考えていたところ、ひと月もたたないうちに、これまた合コンで知り合った男性とセックスをして、そっちに乗り換えようと思って、「好きな人が出来ちゃったんで」と、別れを告げた時のことでした。
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