決して他人には見せてはいけない「自分だけのオナニーのオカズ」

オナニーのオカズから見る性癖

大泉りか 官能小説 人妻は不倫の夢を見るか 肉 性欲 リベンジポルノ Emilian Robert Vicol

 好きだったり付き合っている男性のオナニーのおかずをチェックすることが大好きです。今、一緒に住んでいる夫は、コレクター性質ゆえか、アダルトDVDを100本ほど、ずらりと棚の上に並べています。なので、チェックせずとも勝手に目に入ってきて、「巨乳で淫乱な女性にフェラ抜きされるのが好きなんだなぁ」「わたしは巨乳ではなく申し訳ないなぁ」等といったことを、一緒に暮らし始めた当初は考えたりもしていました。が、慣れとは恐ろしいもので、今ではそこに存在することすらすっかり忘れてしまうほど、風景に溶け込んでいます。
男性の性癖としては、ノーマルといえる範疇のものばかりなので、余計に気にならないのかもしれません。さすがにわたしでもスカトロビデオがずらりと並んだ棚の前でご飯を食べるのは、抵抗があります。

 今の夫は仰天するような性癖の持ち主ではありませんが、結婚する前に付き合っていた男性の中には、少し変わった性癖を持った人もいました。といっても、くすぐられて呼吸困難を起こしている女性に萌えるだとか、アナルセックスが好きな人だとか、わたしの友達が働いている風俗にわざと行ったりというレベルなので、大したことはありません。
あっ、ひとりだけ超暴力的な男性もいて、その人にはライターの直火で太ももを燃やされたりしたこともあるのですが、この話はまた別の機会に。今回は別の男性のお話をしたいと思います。

 あれは、当時、お付合いしていた恋人が、引っ越しをするというので、荷造りを手伝っている最中のことでした。戸棚の中に隠された数冊のエロ本を見つけ、「おっ、おかず発見!」とほくほくとしならがチェックしたところ、そのすべてが素人投稿雑誌だったのです。

 いえ、実はわたしも素人投稿雑誌を眺めるのは大好きです。というのも、普通のエロ本のグラビアを飾っているモデルの女性たちは若く美しくスタイルも抜群ですが、綺麗すぎて面白味はありません。それに比べて素人投稿雑誌の女性たちは、若くもなく綺麗でもなくスタイルもごく普通ですが、だからこそ、「えっ、普通に見えて、こんなすごいことをしてるの?」という驚きを楽しむことが出来る。
しかも、投稿者たちは雑誌内で競いあう傾向にあるので、「とにかく目立て!」とばかりに『どこからどう見ても中年女なのにブルマで真昼間に散歩』『耳なし芳一のごとく全身に卑猥な落書きをされてダブルピース』『農作業中の老人夫婦たちの注目を浴びながらトラクターの上で大開脚』といった最高の写真たちがどのページにも載っている。こんな面白い雑誌、他にはありません。

 わたしが『面白い』という視線で素人投稿誌を見ているからといって、すべての人がそうではないでしょう。この生々しさに劣情を覚える男性だっていることはわかります。素人投稿誌の女性たちを観ながら、オナニーをしたっていいのです。わたしには何の被害もないので問題はない。ただひとつ「ん?」と心にひっかかったのは、しばらく前に、その恋人から貰った、使いさしのプリンター用の写真用紙の中に紛れこんでいた数枚の写真のことがあったからでした。