『ジュピター』は完全なるSF。地球という惑星は、人間より高度な知性を持った異星人によって管理されている設定。地球で平凡に暮らすジュピターという女性をキーに、人類の生き残りをかけた壮大なバトルが繰り広げられます。
完全SFの世界観は視覚的魅力を多々体験することができます。ストーリーがとにかく壮大なので、映像のスケール感もでかい。大迫力の地球&宇宙バトルを目にすることができます。
決して『マトリックス』の再来ではなく、全く新しく構築されたウォシャウスキーワールドの映画です。前作『クラウド・アトラス』の真逆をいく、とにかく娯楽に特化した壮大なSFアクション映画。
主人公ジュピターと兵士ケイン、異星人との政略結婚などの愛も絡めながら物語は進んでいき、最後はスカッと終わります。
ごく平凡な主人公ジュピターが、宇宙規模の争いに巻き込まれる展開は、完全なるイマジネーションの世界だからこそのあり得ない展開を存分に楽しめます。
チャニング・テイタム演じる元兵士・ケインは、硬派で嫌味のない筋肉キャラ。対照的に、嫌味たっぷりのヘタレもやしっ子である悪役バレムを演じるのは、今年アカデミー賞「主演男優賞」を受賞したエディ・レッドメイン。この二人の対照的なキャラクターも本作の見どころの1つです。
オリジナリティを出しつつ、あらゆるSF映画のオマージュが溢れる、見ていて楽しい作品。続編を匂わせないラストが爽快な気持ちにさせてくれ、スカッと劇場を出ることができました。
本作はオリジナリティとSF名作のオマージュとの絶妙なバランスが見どころですが、一人の女性を取り巻く男性たちについてあれこれ品評しあうのも楽しいです。つまり、女子会のトークテーマにも最適。