「まだ処女!」と言い切ることにしました

あずささん(和歌山県) エピソード:
 初めては、心から好きな人としようと決めていたのに、寂しくて、一瞬のときめきに身を委ねてしまいました。ただのイケメンに、ほだされるなんて……。
 葛藤しましたが、惨めになりたくなかったので「まだ処女!」と言い切ることにしました。

「もしも思い出がコピペで切り貼りできるなら、今までした中でどのセックスが初体験だったらよかった?」

……そんな質問をベッドの中でしたことがあります。

 まあ結局「あなたがいちばん」って言ってほしかっただけなんですけど。

 そんな僕の女々しい言葉と似て非なるあずささんの「まだ処女!」の宣言は、凛々しい。

 ほんとうの凛々しさというのはいつも弱さや切なさから立ちのぼってくるものですね。

 ここから葛藤の部分が薄れてゆくと、やがて「永遠の二十歳」を自称するウザい中年のようになってしまいそうなので、気をつけて。

血が出ても 生理がきたと言い切れば わたしまだ処女わたしまだ処女(あずさ)

 いただいた短歌も、自分に言い聞かせている呪文のようで、魅力的でした。

 こういうほんのり苦みのある怨霊エピソードは、思い切ってかっこいい系に舵を切ってもいいかもしれません。あずささんのようにコミカルで自虐的な方向性もアリなんですが、「自虐ネタ」ってわりと供給過剰で、食傷気味な感じもあるので。

納得のいかない初夜を駆け抜ける 処女の定義は私が決める

 とか。凛々しさと勢いを全面に出して、怨霊を脚力で追い越してみました。どうでしょう。