良心をもたない人たち
- アル
-
世間の評判は高いのに、実際は客が来ないし、たまに来ても食い逃げするようなクソばかり。となると、いざ客が来たら「よくぞ当店を選んでくださいました!」と感激するし「この客を逃してたまるか」と執着しますよね。
- S
-
そう!実質は火の車なんで、すっごく嬉しくなっちゃうんです(笑)。それで「自分のことを評価してくれた…!」と好きになるんですよね。
- アル
-
でもそれってレストランの中身を評価してるわけじゃなく、「こんな高級店に通える俺ってスゲー!」という虚栄心・自己満足ですよね。
- S
-
たしかに…元夫は私の肩書きやスペックに惹かれたんだと思います。
- アル
-
“エリート美人女医の妻”が欲しかったんでしょうね。モラハラとサイコパスは親和性が高いですが、『良心をもたない人たち』って読んだことあります?
- S
-
それは読んだことないです。
- アル
-
ぜひ読んでみてください。本の帯には「一見魅力的だが、嘘をついて人を操り、空涙を流して同情をひき、追いつめられると逆ギレする」とあります。
- S
-
まさに元夫のことですね…!!
- アル
-
この本によると、25人に1人はサイコパスだそうです。
良心のない彼らは人を「モノ」としか思ってなくて、妻や彼女は「自分を魅力的に飾るアクセサリー」にすぎない。人をモノとしか思ってないから、平気で騙して傷つけるし、利用して搾取する。
- S
-
過去に付き合った人も全員そうですね。なんでこんなに騙されやすくて、利用されやすいのか…。
- アル
-
それは人一倍良心があるからですよ。人一倍良心があるから、平気で人を騙したり利用する人間が理解できない。
- S
-
ああ、それはありますね…。私わりと温室育ちなんですよ、悪意のある人が周りにいたことがなかった。
- アル
-
だから理不尽に傷つけられるとビックリして「え、私が悪かったの?」と思ってしまう。良心のないサイコパスは「自分は悪くない」と信じてるし。
- S
-
元夫はそうでしたね。「俺は何も悪くない、お前が悪い、むしろ俺が傷ついた」ぐらいの。
- アル
-
良心のある「いい人」がサイコパスに狙われるんですよ。
ただSさんは過去にさんざん痛い目にあったのに、半年で結婚してますよね。「もうちょっと慎重に見極めよう」「結婚前にお試し同棲してみよう」とか、思いませんでした?
- S
-
今思えば、絶対そうすべきでしたね…。
- アル
-
モラ夫の妻たちは「結婚前は理想の彼氏だった、結婚後に豹変した」と言いますよね。なので私は、結婚前のお試し同棲を勧めてます。
- S
-
29歳の私は嬉しくて舞い上がっちゃったんですよね。実質は火の車だったから(笑)
- アル
-
わかります。「今度こそ幸せになれる」と思いたいし、ポジティブ転換しちゃいますよね。
- S
-
ポジティブ転換してました。たとえば女性のキャリアに引く男性は多いけど、元夫は私の仕事やキャリアを褒めてくれて、政治や社会問題に関心があることを「キミのそういうところが好きだ」と評価してくれたんですよ。
あと日本人男性は「うちの愚妻が」と言ったりするけど、元夫は私のことを自慢していたので「リベラルだ」「対等な夫婦になれる」と思ったんですよね。
- アル
-
サイコパスは人の心を操るから、相手が喜ぶポイントを突くんですよ。しかも演技が異常に上手いから、見抜くのが難しい。
- S
-
難しいんですよ…!「彼は本当の私を理解してくれて、好きになってくれた」と信じちゃいました。
- アル
-
信じちゃいますよ。その頃はモラハラもサイコパスも今みたいにメジャーじゃなかったし。だから見抜けなかった自分を責めないでください。そのうえで、今後の対策を考えましょう。