アマゾネス村出身の魂
K:でも婚活してみて「こういう人は合う」「こういう人は無理」というのがハッキリして良かったです。
アル:「一緒にいて楽しい人がいい」「居心地のいい人がいい」と言う女子は多いけど、どんな人といると楽しいか?居心地がいいか?は人それぞれ違うから。いろんな人に会わないと、自分の好みはわからないよね。
K:それでいうと、私はさかなクンみたいな人が好みだなって。他人に勝ちたいとかじゃなく、自分の好きなものをひたすら追及している人。
アル:さかなクンは素晴らしいよね、偉大な人だ。
K:でも、ああいう男の人ってめったにいませんよね。私、そもそも男で好きと思う人が少ないんですよ。女友達といる方がずっと楽しいし。
アル:私も女友達といる方が楽しいし、自分の好きな男以外は好きじゃない。
K:これって女子校育ちの男尊女卑アレルギーだから?
アル:男のいない楽園で育ったからね。私は教室で相撲とったりしてたよ。
K:私も教室でチャンバラとかしてました(笑)
アル:「男を立てる」「男に媚びる」みたいな文化のないアマゾネス村出身だから「男って面倒くさい、女同士が一番」と魂に刻まれてるよね。あと「やっぱ女の子だな」「守ってやるよ」とか言わるとムカつくのは、「女=自分より弱い存在」と決めつけられるのがイヤなんだと思う。
K:そう!だから女の子扱いされるのがイヤなんです。落ち武者の彼は仕事で助けてくれてもドヤ感ゼロだったから、好きになったんでしょうね。
アル:うちの夫もドヤ感のないオタクだったよ。付き合った当初は一切ときめかなくて「同性だったら親友になってるな」って感じだった。
K:アルさんは「惚れたハレたはもういい、家族が欲しい」と思ってたんですよね?
アル:そこがハッキリしてたから夫と結婚を決めたんだと思う。逆にときめかないのが良かったのよ。ときめき補正がないぶん、ありのままの相手を見られたから。
あと「ときめき的な好き」もあるけど「相手のいい部分をいっぱい知ってるから好き」もあって、今結婚12年目だけど、どんどん夫を好きになってる。
K:TOFUFUの連載を読んでると、こういう結婚生活だったらいいなと思うんですよ。あと御手洗直子さんの『31歳BLマンガ家が婚活するとこうなる』を読んで、こういうオタク同士の結婚もいいなって。ただ、私はあそこまで婚活を頑張れないなと。
アル:御手洗さんは「昔から結婚願望が強かったし、子どもも欲しかった」と書いてらしたもんね。だから「300人とメールして30人とデートして半年で結婚を決める」ができたんだと思う。
K:私の一番は仕事ですけど、それ以外のリソースをどこに割くかといったら、やっぱり趣味、オタク活動に割きたいんですよ。それで結婚できないと言われたら「それでいい」って。
アル:じゃあ、いいよ(笑)。自分の中でちゃんと結論は出てるよね。「趣味にお金も時間もかけたいけど、やっぱり結婚もしたくて…」じゃなく、Kさんは「趣味の方が大事!」と優先順位がついてるから。
K:優先順位をハッキリさせたことで、気持ち的にもスッキリしました。
アル:何よりKさんは「仕事がイヤだから結婚したい」「結婚しなきゃ食っていけない」とかじゃないから、頼もしいよね。
K:ただ同人誌や遠征代で悲しいほど金がなくて。貯金しなきゃと思って、通帳をお母さんに預かってもらってます。
アル:自分で管理しないのが大事だよね。ハンコはお母さんの胃の中にでも保管してもらって(笑)