今回カウンセリングするのは、宝塚の男役っぽいハンサム美女のKさん(30歳、クリエイター)
以前、彼女はニコ動「アルテイシアの相談室」にこんな相談を送ってくれました。
私は筋金入りのオタクで、相手もオタク知識がないと死ぬと思い、オタク街コンに参加しています。そこで出会った数人とデートしましたが、やる気が続きません。
私には大好きな声優さんがいます。本来なら「それはそれ、これはこれ」なんですが、この頃、妄想ですまないレベルになってきました。
…わかってるんです!私が好きなのは妄想している声優であり、30歳女が考えることではないと!!
しかし面倒なことに、私の仕事が頑張ればその声優さんに会えなくもないということです。完全に無理なら「趣味:妄想」で終わらせれるんですが…。
そのため「現実をみろ!」と叫ぶ自分に押されて婚活に行き、デートの約束はするけど、「行きたくない!私には好きな人がいるのに!」と欲望の私が叫び、冷静な私が「わかった、でもとりあえず行こう、練習と思おう!声優さんに会えた時に話せるようにするための練習だよ!」となだめて出かける、を繰り返しています。どうしたらよいでしょう?
やる気が出ない本当の理由
K:ニコ動で相談に乗ってもらって救われました。その前は「声優さん断ちしなきゃダメかも」と思ってたんですが、アルさんに「声優さんを癒しや励みにすればいい」「土曜は婚活がんばったから日曜は思う存分ゲームするとか、ご褒美にすればいい」と言われて「やめなくていいんだ!」って。
アル:声優さん断ちしなきゃダメかもと思ってたの?
K:はい。声優さんに恋してるって、中学生だったら可愛いけど…。
アル:倍の年やからね(笑)
K:(笑)自分でもマジ痛いと思う部分もあるから、やめようかと思ったけど、血を吐くほど辛くて。
アル:そこまで好きなことをやめる必要ないよ。ただでさえ婚活はストレスなのに、人生が辛くなっちゃうし。
K:本当にそうなので、声優さん好きを肯定してくれて救われました。
あとは「自分の欲しいモノを整理しよう」「優先順位を考えよう」とアドバイスをもらって、じっくり書き出して考えたんです。そしたら、私は仕事が一番なんですよ。仕事で自分の目指してるところまでいきたくて、結婚やパートナーや子どもとどれを選ぶか?と聞かれたら、確実に仕事だなって。
アル:そんなふうに「これが一番」と言える仕事ができてるのは、幸せなことだよね。
K:昔からずっとやりたかった仕事で、仕事の苦労はイヤじゃないけど、婚活は面倒くさくて。それは「結婚」がしたいわけじゃないからだなと。
…振り返ってみると、私、人生で男を必要としたことがないんですよ。
アル:うん、Kさんは「男いらず」で来たんだと思うよ。
彼氏いない歴=年齢の子の多くは、モテないわけじゃなく、男いらずなんだよね。言い換えると、男よりもっと優先順位の高いものがあった。逆に彼氏の途切れない子は「彼氏がいればいいな」じゃなく「いないと困る」んだよ。寒がりの人が「毛布がないと死ぬ!」と必死で手に入れるように。
K:たしかに、私も自分の欲しい仕事は必死で手に入れようとしますから。
アル:Kさんは「今は男は必要ないけど、いつか必要になるかも」と思ってるの?
K:そうなんです。今は友達もいるし、家族仲もいいんですよ。ただ問題はお母さんが先に死ぬから、そういう意味で家族は欲しいんです。
数年前に祖母が亡くなって、母と一緒にオイオイ泣いてたんですね。「母が亡くなった時、この悲しみを1人で背負えるのか?」と考えた時に「無理」と思って。一緒に泣いてくれる人、悲しみを分かち合える人が欲しくて「結婚したい」と思ったんです。
アル:それは「家族」が欲しいのであって「結婚」ではないんじゃ?
K:そう、それが夫や子どもじゃなくて、女友達でも同居人でもいいんですけど…ただ現実、女友達と住むのは難しいかなと。友達も結婚したりするだろうし。
アル:30歳ぐらいはそう思うから、一番迷う時期だよね。これが40歳になると、独身の女友達も「自分はシングルの方が向いてる」と悟りを開いて「老後はみんなでシェアハウスに住もう」みたいな話も現実味を帯びてくる。
K:私もオタク仲間と薄い本でパンパンのシェアハウスに住むのが理想です!
アル:それに40歳になると、周りも親が病気とか介護という話が増えてきて、心の準備ができてくるよ。30歳ぐらいは「親が死んだら超ショック」と思うけど、意外と死なへんねんな、親って。
K:(笑)今は人生90年で寿命が延びてますしね。
アル:自分が50代や60代で親が亡くなるケースが多いよね。となると周りも大抵同じ思いをしてるから、共感してくれるし、悲しみも分かち合えるよ。
K:たしかに…。男いらずで来た私は「有事に備えて今のうちから用意しとく?毛布」みたいな感じですよね。
アル:それだとドライブはかからないよね。「ミサイル飛んできた時のために水買っとこか」みたいなもんで「喉渇いた、水…!!」じゃないから。
K:あと、ほんの少し「親に孫を見せてあげたい」「それができなくてゴメン」って思いもあります。それを親に話したら「あんたが楽しく生きてる方がいいよ」と言ってくれたんですが。
アル:親は「娘が幸せなのが一番」と思ってるのに、娘が勝手に申し訳なさや罪悪感を感じてる場合も多いので、ちゃんと確認した方がいいと思う。それに親のためとか周りのためとか、「自分」が本気で求めてないことは、なかなか叶わないよね。
K:婚活にやる気が出ない本当の理由は、声優さんに恋してるからじゃなく、自分が本気で求めてないからだ、と気づけてよかったです。
アル:自分の心を見つめるために、本音を書き出して整理するのはオススメ。