君の夢をかなえるために人が存在しているわけではない

ジェーン・スー: いまから思い返せば…ですが、私の場合、結婚したい、よりも結婚しといたほうがいい、だったんですよね。
それぐらいにしか思ってなかった。
相手のある話でそんな態度だったらうまくいくワケないな!といまは思います!

中谷: たしかに、私も考えてみれば、したいというより、したほうが無難という風に思っています。

ジェーン・スー: 最初に中谷さんが「恋愛も飽きっぽい、このままだと結婚と離婚を繰り返すのではないか」と言っていて、ずいぶん飛躍してるなぁと思ったんですよ。話が。
「恋愛が長続きしないのは、私になにか問題があるのでしょうか?好きになった人にすぐ飽きてしまうのはなんでですか?」っていう話だとは思うのですが、その前に「結婚しないと!」みたいな前のめり感が感じられまして…。

中谷: たしかにそうですね。
恋愛→結婚につなげなければという、いわばミッションのようなものに突き動かされているような気がします。

ジェーン・スー: あはははは!わかるけど!!!
仕事と恋愛の話は基本的には別の話だと思うのですが、通底していることがあるとすれば、スタンプラリー問題。
これね、仕方ないんですけどね。
子供のころからある程度スタンプラリーがうまくいった人生を送ってきてたら、そのままスタンプラリーを続けていくのがベストだと思ってしまうのは。
でも、どんどん針の穴に糸を通していくような作業になっていくわけじゃないですか。タスクが増えていって。

中谷: はい…そうなんです。だんだん網羅しきれなくなってきました。

ジェーン・スー: で、そうなると、なんとか針の穴に糸を通そうとして、近視眼的になるというか、自分の人生を遮眼帯をかけてしかみれなくなるというか、要は自分のことしか考えられなくなるんですよね。

中谷: たしかに…どんどん視野が狭くなってくる感じがします。

ジェーン・スー: でね、仕事のことと恋愛のこと、通底していることがあるとすれば、仕事も恋愛も、自分ひとりでやってるわけじゃないということで。
誰もが自分のスタンプラリーをコンプリートさせようとしたら絶対破たんするんですよ。 システムとして!

中谷: 私のコンプリートのために誰かにしわ寄せが行ってしまうんですね。

ジェーン・スー: うん。ていうか無理。
だれかが中谷さんのために人生をしわ寄せしてくれるわけないじゃん。
それが度を過ぎていくと「人を人とも思わない」ということになって、
なんていうか…まぁこれは私が友人から言われた言葉でもあるんですが、
「君の周りの人は君の人生の書き割りの絵ではないよ」「君の夢をかなえるために人が存在しているわけではない」と。
あったりまえなんですけど、ハッ!としましたねー。

中谷: その通りですね…。

ジェーン・スー: でね、こんな相談ごときで人間が変わるわけないんですよwww
前に言いましたが中谷さんが32歳ぐらいだったら、なんとか伝えようとするんですが、まだ26歳なわけで。
で、どうするかというと、どこかでバチーンと仕事でも恋愛でも頭を殴られるような事件が起こるわけです!
そのときに「ユリイカ!」って! 初めて言えるから。
いまは好きにやってていいんじゃないかなーと思いますフフフ。

中谷: え!

ジェーン・スー: うん

中谷: そうなんですね…!ユリイカ…!

ジェーン・スー: それまでは変にいい子になって慎重になって妥当なことばかり選んで…っていうかそれ中谷さんできない気がします。
けなしてないですよ!頼もしい!

中谷: ww たしかにできない気がします。どこかで挫折のようなことがあるのはすごい怖いですが、それがものすごく怖いことじゃないことを祈ります。

ジェーン・スー: やらかしても死なないから大丈夫ですよー。
びっくりするほど自分の人生が思い通りにならないことが起こって、すごいタカを括っていたな自分!って思うことがでてきて、そのとき「ユリイカ!」ってやれればいいやーぐらいの気持ちで。

中谷: はい…!