本質によって、結果が変わってくる

実は、その人の本質によって、結果は変わってきます。孔子の「論語」にはこんな言葉があります。

「其の以(な)す所を視(み)、其の由(よ)る所を観(み)、其の安んずる所を察すれば、人いずくんぞ隠さんや」
【訳】人を見るのに、現在の行動を観察するばかりでなく、その動機は何か、またどんな結果に満足するかまで突っ込んで観察する。そうすれば、どんな相手でも本性を隠しきれなくなる。
(参考:「渋沢栄一の『論語講義』」 平凡社新書刊)

渋沢栄一さんの解説によると、人を見るときは、相手の「現在の行動」「動機」「満足する結果」を観察することが大切であること。外見にあらわれた行為が正しく見えても、その行為の動機である意思が正しくなければ、その人は決して正しい人物とは言えない。
つまり、もし「満足する結果」が、ご馳走を食べる、裕福になるといった“私欲”だけの場合は、その人は何らかの誘惑によって思わぬ悪に手を染めることもあるから、前もってきちんと相手を見ておいた方がいい、ということです。

例えば、同じ職業であっても、その人が「満足する結果」がなにかによって、言動は変わってきます。
単に自分の利益が大事なのか、会社がより発展することまで考えられるのか、さらに仕事を通して社会(人)に貢献することまで視野を広げられるのか。
それによって、一時期は同じポジションで仕事をしている同僚同士だとしても、未来は差がついていることも。それは、“志(こころざし)”が違うからです。

それと同じように、「家庭を築く」ことでも、その人が考える「満足する結果」によって未来が変わってきます。
例えば、単に「寂しさを埋めるため」など、自分が幸せになることばかりを考えて結婚した人は、その欲望を満たすために不倫をしてしまう可能性もあります。
そのときは、パートナーの気持ちなどを考えられず、「好きになっちゃったんだから、しょうがない」と思うでしょう。

逆に、「温かい家庭を築いて、家族を幸せにしたい」と考えられる人であれば、どんな誘惑があっても、なびくことは少ないもの。不倫をすることによって、大切なものを失うリスクまで考えられるからです。

結局、その人の“本質”が未来を作っていくのです。だから、いくら今が好調だったとしても、現在の状況ばかり見てもしょうがないのです。

自分も芯を持った人に

相手の本質を見抜けるような人になるためには、まずは自分自身もしっかりと「芯の持った人」になることが大切です。

さらに、普段から心を磨いている人は、相手の本質もきちんと見られる人が多いもの。薄っぺらい価値観を持っていたら、相手に見透かされてしまいますよ?
素敵な人ときちんと関係を深められる人でありたいものですね。

子供おばさん……表面的な魅力だけで人をジャッジし、条件が合わないと縁を切っていく。
大人女子……相手の本質を見て、信頼できる人と関係を築いていき、良縁を掴む。

Text/ひかり

■もしかして子供おばさんかも!な言動