米が好きじゃない知人A

独身の知人Aが、「自分はご飯が好きじゃなくて食べる習慣がないから、自分に結婚は難しいと思っている」と申しておりまして。確かに、日本人の大半は米を好みますから、知人が言うように難しいのかもしれません。

しかし、ご飯を食べる習慣がない人がゼロとは限りません。実はミカコちゃん自身も、ダイエット目的とかではなく、昔から米を食べる習慣がありません。炊飯器は持っていても、米は炊かずに巨大ホットケーキや巨大お好み焼きを作ったりする食生活を知人Aに話し、その流れで互いに「ご飯の、どういう部分がキライなのか」というテーマで超絶・盛り上がりまして。ひょっとして好きなものの話題よりも人間は、キライなものの悪口大会のほうが盛り上がるのかな……と気付いてしまったのです。

そういえば既婚の知人Bも、キライな芸能人がいたとしても、友達や同僚には「もしかしたらファンの人がいるかも」というリスクから、「〇〇が出演している△△のコマーシャルがキライ」的な話題は口が裂けてもできないと。逆に配偶者とは、そういった話題が自然に話せるのでラクだと申しておりました。

そうそう、五十嵐貴久著『リターン』という小説にも、登場人物が結婚の決め手として「食べ物の好き嫌いはあるかと聞かれた。(中略)マヨネーズが苦手だと答えた。へえ、と奥山が笑った。おれもなんだよね、と言ってまた笑った。その時の笑顔はちょっとよかった」という描写がありましたっけ。

キライなものの話ができるか?

以上を踏まえると、互いにキライなものが一致していれば……いや、一致していなくとも! 知人Bのように、キライなものの話題を正々堂々と愚痴ることが出来るか……って部分が意外に大事かもしれません。そりゃ悪口は言わないにこしたことはないのでしょうけど、聖人君主じゃあるまいし、清く正しい会話だけで人生80年生きていくなんて無理ゲーです。

せめて夫婦間では、仕事で起きた嫌なことなどを愚痴りたいもの。なので相手に対し、「愚痴を言ったら嫌われるかも」という躊躇があったり、相手から「悪口は駄目だよ」と窘められるようであれば、この先80歳までしんどいかもしれません。「〇〇が出ている△△って番組は自分も嫌い」くらい同調できる仲が、意外に結婚の決め手となってくれるのでしょう。

Text/菊池美佳子