バイセクシャルの女友達が…

かつて、レズビアン寄りのバイセクシャルの女友達がいました。あるとき、その子とふたりでクラブで遊んだ朝方、一緒にうちに帰って、ちょっとだけ仮眠してから帰るという流れになったことがあった。当時、新宿からがんばれば歩いて帰れる距離にあったわたしのマンションは、仲間内のたまり場になっていたので、人が泊ったときに使えるように予備の布団があった。それを床に敷き、女友達にはベッドで寝るように言い、わたしは布団へと体を横たえた。

すると彼女が言うのです。「そっちで寝てもいい?」と。「え、無理」と断ったところ、「わたしはダメですか」とたたみかけてくる。「ダメとかじゃないけど、友達だし」「それはダメってこと?」「ダメっていうか、そういうんじゃないっていうか」「だからダメってことだよね」。疲れているし眠いのに、ダルいやりとりが延々と続き、泊めたことを後悔しながら、わたしはセックスだけなら女の子ともできるし、こういう感じでクラブで知り合った他人を家に連れて帰ってセックスをしたこともあるのに、なぜこの子の誘いを受ける気にならないかと自分に問いかけた。するとあっという間に極々シンプルな正解に辿り着きました。友達だからだ!

わたしはどうやら、友達と色恋とを切り離したい人であるらしい。というわけで、そういうつもりはまったくないときっぱりと断言して背中を向けて寝たところ、シクシクと泣きだしてしまったという地獄の朝。なんでわたしがこんな目に。そんな懐かしい思い出はさておき、友達でもセックスができる人と友達とはできない派、どっちが多数派なのか知りたい。

Text/大泉りか