仕事を取るか、サッチーを取るか

サッチーとは故・野村沙知代さんのことです。メディアに登場していたのは20年以上も前ですから、若いお嬢さん方はご存知ないかもしれませんね。サッチーは、ヤクルトや阪神、楽天などの監督として活躍したノムさんこと故・野村克也氏の奥様です。

冒頭に「この国のメンズは仕事と恋愛を分けたがる」と書きましたが、ノムさんはむしろ仕事に思いっきり恋愛を持ち込みました。南海ホークスの監督時代、球団運営に口を出すサッチーに、関係者から不満が勃発。ノムさんは、サッチーを取るか、野球を取るか、道は二つに一つしかない状況に追い込まれます。

そして結果、ノムさんはサッチーを選び、監督を解任されました。「仕事はいくらでもあるけれど沙知代は世界に一人しかいない」という名言は今も語り継がれています。

どうしたらサッチーになれるのか

ここからが本題です。「サッチーになる」と書きましたが、デカい色付き眼鏡をかけるとか、水着でメリーゴーランドに乗るとか、そういうことではございません。そもそも、としまえんは既に閉園していますし(あのコマーシャルを知っている人は昭和世代)。

そうではなく、ここはサッチーの口癖をパクりましょう。彼女は生前、「なんとかなるわよ」が口癖だったとか。スペイン語で言う「ケセラセラ」ってやつですね。

対象男性と接する際は、意識的に「なんとかなるわよ」と発言するようにしましょう。仕事よりも恋愛を選ぶノムさんタイプの男性は、サッチーのような女性を好むはずなので。サッチーのような女性になるには、彼女の口癖を完コピするのが一番です。

「プレゼンの資料間に合うかなー」
「なんとかなるわよ」
「営業目標クリアできるかなー」
「なんとかなるわよ」

……などの会話を繰り返しているうち、相手男性の脳内にある「同僚と飲みに行くって後々大丈夫かなー」「そこから恋仲になるって後々大丈夫かなー」という不安材料に「なんとかなる!」と変化が起きる可能性大! その可能性に賭けてみましょう。

Text/菊池美佳子