17歳のときに会っていた年上の彼

年上といえば、17歳の頃のことでした。知り合いが働いていた引っ越し業者の同僚の、25歳の男性と一時期、そういう関係だったことがありました(※東京都青少年の健全な育成に関する条例が施行される前のことです)。定期的に会ってはいたけれどいつも夜で、どこに行くこともなく、ただ車の中でしゃべってイタす……といった具合で、好きではあったけれど、別にそれ以上のことを求めたいわけでもなく、その関係に満足していた。

しかし、あるとき、わたしの両親の知れることとなり「そんな年上の人と付き合うなんて、絶対にダメ! 許さない!」と激昂されました。不服に思ったわたしは夏休みだったこともあって家出を決行。「男のところに行ったに違いない!」とパニックになった両親は、どうにかして25歳男性の身元を突き止めて「うちの娘を隠しているだろ」と詰め寄ったそうですが、「隠しているもなにも、僕には同棲している彼女がいますし」と、あっさりといなされたそうです。

わたしは親が留守がちな女友達の家に泊めてもらった末、一週間後に自宅に戻ったのですが「あの男の人ね、ちゃんと大人の恋人がいて、その女の人と暮らしているらしいわよ」と哀れみの表情を浮かべつつも、鬼の首を取ったかのように言う母に、心の中で「そんなこと、わかっとったわい」と吐き返したことを今でも覚えています。

さて現在、女子高生をセフレにしていた彼についてどう思うか。正直なところ、「あの男、未成年を搾取しやがって」という怒りなどはまったくなく、むしろ「あの関係を、もっと続けたかったのに、パターナリスティックな介入でだいなしになってしまって悔しい」という気持ちがあります。17歳と25歳の愚行は、もう今では許されない世の中ですけども。

Text/大泉りか