クソ束縛系の彼氏が「俺も今から大阪行こうかな」旅先のスリリングな体験

もはや中毒といってもいいレベルで、旅行が好きです。常に少し先の未来に、どこかに旅行する予定が入っていないと日々の活力が出ない。逆に次の次くらいまで旅の予定が決まっていると「よし! 稼ぐぞ!」とやる気が出る。担当のために働いているホス狂いのごとくです。

家族旅行、友達と行く女旅、なんだかわからないメンバーで行く道連れ旅、どれもこれも好きなのですが、ひとり旅は格別です。それは、旅に伴う緊迫感が他の旅とは桁違いだから。初めて訪れる国内はもちろん、言葉の通じない海外は特にそうで「勢いで僻地まで来てみたものの、帰りの足がない」「グーグルマップを頼りに目的地近くに辿りついたが、どうやらマッピングの場所が間違っている上にもう充電が切れそう」「タクシーの向かっている先が違う気がする」といった小さなトラブルに見舞われる度に、「なんで旅にまで出てハラハラとしんどい思いをしているのだ」と自問しつつ、一方では脳内ではアドレナリンがドバドバするのか、たまらなく楽しい気持ちになってしまう。

もうひとつ、自由さもひとり旅の魅力です。どこに行くか何を食べるかどこに泊るか。酒が飲みたければ、何時までだって飲んでいていいし、二日酔いで次の日の予定がキャンセルになったとて誰にも迷惑が掛かることはない。自分の行動を自分だけで決めることのできる自由さ。「わたしはなんでもできる!」という全能感の最奥から「家に戻ることなく、このまま、どこかに消えてしまうこともできる……」という後ろ暗い逃避願望がちらりと首をもたげて、ドーパミンがドバドバ。このふたつの刺激が、ひとり旅を辞められないひとつの理由です。

子育て中の母にひとり旅は難しい

しかし、子育て中の母という立場にとって、ひとり旅はなかなかハードルが高い。夫の協力は不可避だし、そもそも「ひとり旅に行こう」という発想もなかなかわかない。「ひとり旅に行きてぇ!」という望みはあるのに、いざ実現しようとすると、どうしてかはわからないけれど、二の足を踏んでしまう。子が完全に手を離れたら、また踏み出せるかしら……と思っていた先日、ついにそのチャンスが訪れました。大阪でトークイベントをすることになったのです。夜の開催になるので一泊せざるを得ない=一泊二日のひとり旅。

ホテルの手配をし、日中は何をするか観光の候補をあげ、食べてみたい店をリストアップ。大阪は四回目だけど、意外と見てないもの行ってないところ食べてないものがある……と考えていたら、ふと今から十年以上も昔に、友達のバンドのツアーに付いて訪れたことを思い出しました。