秋なので髪の毛のインナーカラーを青紫色に染めました。なかなかパンチの効いた色に染まってウキウキしながら帰宅し、夫に「髪色を変えた」と報告しつつ見せびらかしたところ、返ってきたのは「すごい色だけど……どこを目指してるの?」という言葉でした。
咄嗟に「押し出しの強さ」と答えたら、意味がわからないという。「何かを発言した際に、マウントを取られたりとか、くだらねぇ反論をされたりしないような、迫力ある人物になりたくて」と説明したところ、ますます意味がわからないというふうに首を傾げている夫に、どう伝えればわかってもらえるかと考えた結果、「昭和の暴走族がナメられないように鬼ゾリ入れたリーゼントにするのと同じ理屈」という釈明が思いついたけれども、さすがに令和の時代、いにしえのヤンキーイズムに基づいて行動しているなんてちょっと恥ずかしいし、夫のほうも「妻が何を言っているのかわからないので、一旦思考停止モード」に入ったようだったので、その場はなんとなくなあなあで流すこととなりました。
今まで髪型を決める基準だったもの
かつて、髪型を決める際に意識していたのは「男子ウケがよさそう」ということでした。前髪は眉くらいに下ろして、長さはセミロング以上。時折、ショートにしたり髪色で冒険することはあっても、基本的には男性が「カワイイ」と思える範囲内。どうしてそうしていたかというと「モテたい」というごくシンプルな欲求があり、それを叶えるために、「モテない」要素を排除しようと考えてのことでした。
しかし、「男子ウケがよさそう」よりも「押し出しの強さ」に重きを置くようになったからといって、いまも「モテたい」という気持ちがまったくなくなったわけでもありません。好意を持った人には好かれたいし、なんならセクシーだとかエロスを感じるとかヤリたいとか、そういう邪な目でも見られたい。けれど最近つくづく思うのは、髪の色がちょっと奇抜だろうが、髪型がおかしかろうが、男性に歯牙にもかけてもらえないなんてことはない、ということです。
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