自分に自信がない人がやる駆け引きほどうんざりするものもない/oyumi

近頃はこれまで自覚がなかったあれこれについて気付くことがとても増えた。人間関係や恋愛に関することで自分自身に対して驚きがちだ。

私は自分に対して好意を持っていると思わしき異性と接している際に、その好意(または下心)に気付くことがほとんどできない。
鈍感だから当然駆け引きにもうとい

そもそも駆け引きというものを知らずに生きてきてしまった。言葉の存在は知っていたものの、好き合っている男女がやることだろうという程度の認識だった。
自分の人生で異性と好き合うなんてことは起こりうるはずがない。そんな強い前提の上で私は人生を用意されていると思い込んでいる。だから自分が誰かと駆け引きをするという選択肢はありえなかったし、逆に自分がされる側になる可能性も考えた試しがなかった。

ところが最近、どうやら自分がやっているあれこれの行為が駆け引きに当たるのだということに気付いた。例えば「自分からLINEは送らないようにしよう」
だとか「こっちからは一切誘わないようにしよう」だとか、知らず知らずのうちに私は駆け引きテクニック5選!みたいな記事によく載ってるようなことを自分はやっていた。

私が「駆け引き」をやってしまっていた理由

本来(多分)駆け引きというのはテクニックだ。気になる異性を振り向かせるためにやることである。主導権を持っているか持ちたい人が行うんだろう。
そう考えるとどうも私のやっている本来の意味での駆け引きとは別物に思える。
私がさっき二つあげた例にはこういう理由が隠れている。

「(LINE送って返信が来なかったらつらいから)自分からLINEは送らないようにしよう」
「(自分から誘ってもしも断られたら一度は耐えられるけど二度目は耐えられないので)こっちからは一切誘わないようにしよう」

自分が傷付いたり恥ずかしい思いをさせられたりするのを防ぐために私は行動を選びがちなところがある。
相手が友達や恋愛感情のない相手なら、余計なことを考えることなくLINEを送りたいときに送って誘いたいときに誘えるのに、恋愛感情を自覚するとなぜだか途端に臆病になってしまう

「ウザイかもしれないからやめておこう」
「嫌われるのが怖いからやめておこう」
「こういうのは好きじゃないかもしれないからやめておこう」

本当のところは聞かないとわからないのだからまずは聞けばいいのに、そうやっていちいち確認するために何か聞くのも相手の時間を奪って迷惑をかけてしまうような気がするから「きっとウザイに違いない」と決めつけてしまう
おそらく相手は私がそんなことを考えて行動したり発言したりしてるなんて思いもしないだろうから、一体何がしたい人なんだろうとイライラすることだろう。

この行為に名前をつけるとしたらなんなんだろうか。まあこれも、いわゆるみんなが悩まされている駆け引きなのかもしれない。自信があるから相手をコントロールする駆け引きよりも、自信がないから自分の心を守りたいためにする駆け引きのほうが世に蔓延していることだろう。