セックスショップでなくラブストア
前回パリのセックストイショップで日本が誇るオナニーグッズTENGAを見かけたというお話をしました。そのお店というのはパリいちオサレなマレ地域にある「Passage du Desir」。
このお店はパリの歌舞伎町、ピガールにある下世話でオヤジ臭いセックスショップとは明らかに違い雑貨店のようにカジュアルです。週末にはパリジャンで大混雑するほど人気のこの店に、詳しくお話を伺ってみることにしました。対応してくれたのは広報ロクサンヌさん。
─お店の成り立ちを教えてもらえますか?
ロクサンヌさん:2007年にもともと広告の仕事をしていたパトリック・プリュヴォという発起人がギャラリー・ラファイエット(パリのオペラ座横にある百貨店。日本でいう高島屋みたいな老舗)の一角で店舗を持ったのが始まりです。
彼がこの店をオープンした際、「カップルを長続きさせる」、「性と愛のコンプレックスを開放する」という目的がありました。オープン当時から徐々に賛同してくれる女性、男性、性的嗜好を問わず、職業もジャーナリスト、性科学者、看護師、教師などの様々な出資者やサポーターが集まって商品の企画や展示に協力してくれています。今ではパリをはじめフランス内で5店舗を構えるまでになりました。
なるほど、パリの老舗百貨店からスタートというのが日本では考えられない展開ですが、ここパリでは百貨店の女性用下着売り場の横にちょっとしたセックストイを扱うことは普通だったりします。
─繁華街のピガールにあるセックスショップとは明らかに違うテイストですが、特別なこだわり、コンセプトなどがあるのでしょうか?
ロクサンヌさん:この店のコンセプトは、シックでグラマー、商品は機能的で安全であることです。そして私達のお店は「セックスショップ」ではなく、「ラブストア」なんです。
というのも、このお店はカップルたちのアムールのためにあるのであって、単なるセックス商品を売っているわけではないからです。 だからポルノDVDなどは一切取り扱いはないし、お店も気軽に誰でも入れるような展示、雰囲気作りをしています。
そう言われれば、店内にはセクシーお姉さんの写真などセックスを直接表現する写真やデザインのものは一切ありませんでした。 だから店に入っても恥ずかしさというか居心地の悪さを感じなかったんですね。
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