一番欲してるものを持っていた夫
日本で必死に婚活していたときに、出会ってお話できた男性たちは「ことごとく話のキャッチボールができない」人ばかりでした。
私だけが質問を投げるばかり、お相手から全然質問の玉が帰ってこないんです。
たくさん質問してもらって、自分に興味を持ってもらっていると感じている彼らは大喜びで話を終えるのですが、これじゃあインタビューしているのと同じこと。
私は仕事時のように相手に気を使い、疲れ果てるだけでした。
ところが、今の旦那さんと(異性と意識せずに)何度か会っていると、話が途切れないことに気がついたのです。
彼も私もお互いに質問し合い、それが途切れないから気がついたら電話も5時間くらいしていることもありました。
そうすると、会ってないとき、電話してない時に無性に会いたくなる、話したくなるもの。
あとは、流れに任せるだけ。なるべく一緒にいるようになり、すぐに同棲してしまいました。
彼が私のタイプの男性ではなかったのに、私が一番欠いていて、欲していたところ「会話のキャッチボール」が続くことで 他のことが対して気にならなかったのです。
眼鏡でなくても、細身でなくても、スポーツ好きでも彼のことを好きになって、好きなままです。
そんなにあれも、これもと欲張っちゃあいけません。
そもそも「絶対にこの人」なんてのは「あってないようなもの」かも、とすら結婚して思っています。
なにせよ、結婚してから生活感がまして本性もさらににじみ出て 、それでも死ぬまで二人で生活を続けて行く
なんてこと、正直誰とだって続けるのは難しいですってば。
でも、「私はこの人のこういうところが大好きだから」が一点でもあればなんとか続けるような気がします。
偉そうなこと言ってますが、いつ私だって飽きられるかわかんないので、そこんとこも忘れないようにしなければいけません。
Text/中村綾花
初出:2014.6.17
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