この度、20歳でデキ婚することにしました。コラムニストの妹尾ユウカです。
「ご報告」ってタイトルのブログを書くのはイタいし、「授かり婚」って言葉も「どうにか上品に言おう!」って感じがして気にくわない。“授かった”ってなんだか一度神様を経由してる感すごいし。別にデキ婚はデキ婚でいいと思ってる。
今回は、そんな私がデキ婚を決意するまでのエピソードを、産むか・堕ろすかで悩んでいる人や、これから同じ問題に直面するかもしれない同世代の皆さんに読んでほしくて書きました。
「迷わなかったの?」と聞かれて
結婚、出産することを周囲に報告すると、開口一番に「まだ若いのに!迷わなかったの?」と聞かれるが、もちろん迷った。その通り、私はまだ若い。
「自分が結婚するとしたらデキ婚だろうな(笑)」と昔からなんとなく思ってはいたので、想定内のサプライズではあったものの、陽性マークがハッキリと記された妊娠検査薬をいざ目の当たりにしたとき、「やっちまった…!」という気持ちになったのは紛れもない事実だった。
とりあえず、彼に妊娠したことを伝えると「俺は産んでほしいし、一緒に育てたいけれど、君の意見を1番に尊重したい」と言ってくれた。幸いにもめっちゃいい奴だった。
次に私の母にLINEで伝えると、「あなたの人生、あなたの好きなように」という言葉と陽気なスタンプを1つ添えて返してくれた。コイツもめっちゃいい奴だ。
そして、彼の両親からも「本当にいいの?2人が決めたことなら、できるだけのサポートはするよ」と言ってもらえた。
この上なく幸せで、ありがたかった。
けれど、この反応は当時の私にとって、少しつらい反応でもあった。
産むか堕ろすか、1人だけ迷っている自分が、極悪人に思えたからだ。
同じタイミングで妊娠した友人
そんなある日、キャバ嬢をしている友人(25)から「ねえ、聞いて!妊娠した」という電話が来た。ものすごいタイミングだ。
私はJAFのごとく、事故状況とお相手についての話を聞いたあと、彼女の元へ向かった。現場急行サービスだ。
どうやら、彼女の相手はバツイチのホスト(29)で交際2ヶ月目。いかにもクズっぽいスペックとルックスをしていたが、見た目通りのクズで音信不通になっているらしい。そんな話を聞いて、自分が迷っていることへの罪悪感がより一層強くなった。
中絶にはタイムリミットがある。
法律では妊娠22週までと決められているが、妊娠12週以降の中絶手術を受け付けてくれる病院は少ないので、他人の事故対応をしてのんびりしている余裕はない。
ひとまず、病院へ行くことにした。
そこは女性専用のクリニックで、平日の夕方にもかかわらず、広々とした待合室はほぼ満席だった。
中絶を考える私の横には、ふっくらしたお腹に手を当て微笑む女性が座っていて、受付には不妊外来の手続きをする女性、診察室からは重い足取りで出てくる女性がいた。
ここには、それぞれ違った不安や期待、悩みを抱えた女性たちが集まっているようだ。
とりあえず私は「現在、妊娠何週目なのか?」先生に週数を教えてもらい、その日は家路に着いた。