別れさせ工作によって失恋したターゲットが落ち込まないケアもする

――ここまでお話を伺っていて、自分が依頼者側になることがあったら頼もしいなぁと思う反面、ターゲット側にしてみるとたまったもんじゃないだろうな……とも戦慄しました(笑)

でも、ターゲットの方は、“別れさせ工作されたこと”については気づいてないですよ?

――いえ、そうなんですけど、依頼者さんの依頼によって、ターゲットは失恋をしているわけで……。

そこは同性同士の工作員がケアをすることもありますよ。落ち込んでいたら、「婚活パーティー一緒に行こう」と誘って実際に行くこともあるんです。

――そうなんですね! そこまで細やかなケアを!

やっぱり依頼者様にとってターゲットって、自分を脅かす存在なんですよ。恋のライバルだったわけですから。だからターゲットにも別の方と幸せになってもらわなければならないのです。

――なるほど。ちなみに、依頼者側の方々は、皆さん幸せになっていますか?

実は別れさせ工作をして、晴れて復縁一歩手前までいったものの、その瞬間「やっぱり復縁しなくていいや」となった依頼者様も過去にいらっしゃいました。おそらく、「復縁したい」というのがただの執着からきていたんですよね。それでも、依頼者様が「復縁しないと苦しい」という呪縛から解き放たれたことに意味があるんじゃないかと僕は思いました。そこで再び新しいゴールに向かえたのであれば、工作した甲斐もあります。今後も様々な形でそういうお手伝いをしていければと思っています。

 今まで、「怪しい会社」と一言で片づけていたのが申し訳ないくらい、誠実に、真摯に「別れさせ工作」を行っていることがわかった。同時に、自分の周囲にあるあらゆる関係性というのが、思っている以上に脆いことも……。
「別れさせ屋」のプロの力を使えば、おそらく思っている以上に簡単に、人の心を操作することができる。
例えば誰かが「別れさせ屋」に依頼して、うまくいったとして。なまじ「別れさせた経験」がある分、そういうことができると知っている分、「次は我が身」と思って不安になるのではないか、と少し思ったのだった。お金さえあれば人間関係を意のままに操れてしまうのは、どうしようもない絶望であり、希望でもある。

【取材協力】
アクアグローバルサポート

アクアグローバルサポートの新サービス「アンサーズ」が登場。これまでの別れさせ工作で培ったノウハウを用いて、現役の調査員や工作員たちが電話で個別にヒアリングし分析・アドバイスを行う。話し方や言葉の使い方、仕草、タイミングなど、自分の行動を少し変えるだけでも状況が改善することはたくさんあることから、工作のノウハウを活かした恋愛相談サービスを開始した。
【恋愛の神アドバイス/ANSWERS(アンサーズ)】https://www.zctp.com/

取材・文/朝井麻由美