年内リリース予定の『Bloody Chain』。DMM史上最高傑作のボーイズ・ラブ・ファンタジーです。
謎のウィルスにより、人間が『オーグル』と呼ばれる異型の存在に変異してしまう世界。そんな絶望的な世界で、一筋の光を探しながら生き抜こうとする青年たちの儚く切ない物語です。
あらすじを聞くだけでも、ダーク・ファンタジーのおもしろさが伝わってきます。でも「ちょっとBLは敷居が高くて」「興味はあるけど、何から入っていいのかわからない」なんて読者は多いのかもしれません。
そこで、BLをこよなく愛するお三方に、BLの魅力を存分に語ってもらいました!
金田淳子さん
やおい・BL研究家。二村ヒトシさん・岡田育さんとの共著『オトコのカラダはキモチいい』発売中。
マチルダさん
「乳神」と呼ばれるブラジャーのフィッティングアドバイザー。BL大好きな腐女子でもある。
ひらりささん
IT系企業に勤務するかたわら、編集者・ライターとしてフリーランスで活動中。BL関連のコンテンツが得意。
みなさんがBLにハマったきっかけは?
やおい歴35年以上にはなると思います。小学校3、4年のときになぜか公民館にあった『風と木の詩』(竹宮惠子)を読んで目覚めたんです。ただ私はそのとき、よくエッチなことになる美少年ジルベールのことを、僕っ子の女の子だと思ってたんですよ。ちんちんが描かれていなかったし、子ども心に異性愛の刷り込みが強くて。
ただ、同時期に『パタリロ!』(魔夜峰央)を読んでいたら「美少年、美少年」って激しく言うから「はっ!!」って気づきました。そのとき『花の慶次』(隆慶一郎原案、原哲夫作画)の名シーンみたいに、「だがそれがいい!!」って思ったんです。
私は小学校3、4年生ぐらいに読んだ『日出処の天子』(山岸凉子)です。あの悲恋さの感じがもう……。元々山岸涼子先生の作品が大好きで『アラベスク』も読んでいたんですが、特に『日出処の天子』のもやもやした感じが好きで。
それまでは少女漫画をふつうに読んでいたんですが、中学生になって美術部に入ってみたら、そこは結局「漫研」なんですよね。先輩から同人誌の『聖闘士星矢』(車田正美)BLが回ってくるわけですよ。それでやっと「あ、こういう世界があるんだな」って完全に自覚しました。
いま28なんですけど、幼稚園のときから少女漫画雑誌をずっと読んでいて、『花とゆめ』に移ったあたりからBLの空気が流れてきたんです。
『フルーツバスケット』(高屋奈月)とか、好きな作品の二次創作サイトを探していたら、『なぜか夾くんと潑春で…!?』みたいな。同じ『花とゆめ』だと『闇の末裔』(松下容子)もあやしい空気があって、そのへんから段々BL的なものに親しみ、高校のときには商業BLも読むようになりました。