モラハラを自分が、友人が受けている場合は?

――友人のパートナーがモラ夫だと気づいた場合、どうしたらいいでしょうか?

本田先生

親しい友人でも夫婦間のことに口を出すのは勇気がいりますよね。判断するひとつの基準として、友人が外出や交友関係など「自由を制限されている」と感じたら、それとなく夫婦の関係について聞いてみてもいいんじゃないでしょうか。あと、いつもオシャレだったのに、身なりに頓着しなくなったり…元気がなくて欝っぽかったり、その人らしさがなくなっているように感じたら、「どうしたの?いつものあなたじゃないみたい」と一度話を聞いてみてもいいのでは。

――具体的にどうしたらいいんでしょう?

本田先生

一番は何が起こっているか本人が理解するために「情報を提供すること」です。モラハラについて書いてあるサイトや本がたくさん出ていますから教えてあげて下さい。自分に当てはまることが多ければモラハラ被害に気づけるでしょう。

――友人に相談された場合、どう接したらいいですか?

本田先生

相談にのるときは、否定しないで聞いてほしいです。「旦那さんそんなふうに見えない~」とか「考えすぎじゃない」とか言わないでください。そう言われると、「やっぱりわかってもらえない」気がしてしまうので。

――うっかり言ってしまいそうなワードですね。

本田先生

解決法ってひとりひとり違うから、「別れなよ」と言っても別れられない人もいるし、「がまんしなよ」なんてことも、本人が決めること。それぞれ事情がありますから軽々しく「こうしなよ」と指図しないでください。希望があれば近くの相談先(カウンセリング、病院、法律相談など)を調べて情報提供するのは役に立つと思います。

――モラハラ被害を受けた女性が立ち直るためには、どうしたらいいのでしょうか。

本田先生

人格否定をされ続けて自尊心が傷ついています。時間がかかるかもしれませんが自分らしさを取り戻すことが大事です。彼と付き合う前の自分。たとえば学生時代の友人に会ってみたり、実家に帰ってみたり。昔の日記を読んでみると、「ああ、私ってこういうものが好きだったんだな」って思い出せるんじゃないでしょうか。
モラ夫に選ばれる人ってね、本人が思うようなダメな女じゃ、絶対にないんです。本当に不必要に自己評価が下がってるから、それを回復するのが一番の治療です。彼がいうような、バカで非常識で生きる価値もない女性だったら、絶対に選ばれてない。

――そうですよね。

本田先生

それなのに、そう思わされている。もし、彼がちょっとおかしいな、モラハラかもと思ったら、「結婚したら変わるかも」「子どもができたら落ち着いてくれるかも」なんて根拠のない希望を持たず、信頼できる誰かに相談してください。誰かに話してみることで客観的な視点が持てることもよくあります。

――ありがとうございました!

モラ夫の支配から抜け出すには

モラハラ被害を受けていることを本人が理解するには「情報」を得ることが大事。
もし自分の彼、友人の彼が「モラ夫かも?」と思ったら、ご一読を。