モラ夫とは何者なのか?
――モラ夫はなぜモラハラ行為をするんでしょうか。だって、そんなことしたら彼女に嫌われるじゃないですか。
- 本田先生
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モラ夫は「自己愛」が強く、「自分は特別」と思っています。「自分が称賛されたい、認められたい」という気持ちが人一倍強く、だから勉強や仕事など結果や成果が見えやすいところでがんばりがきき、結果的に「ハイスペック」と呼ばれることも少なくありません。でも、相手の立場になって考えたり、共感することは苦手。
だから、モラ夫に「モラハラをしている」という意識はおそらくないでしょう。むしろ「教育してあげている」くらいに思っています。
――そうなんですか!? じゃあ、これは「愛ゆえ」の行動?
- 本田先生
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彼らの愛は私たちの愛とは違う気がします。彼女のことを「必要」とはしていますが、それは利用したり、支配したり、サンドバックにするため。「一緒に幸せになりたい」「守ってあげたい」とか、そういった気持ちは抱いてないのではないかと思います。
別れを切り出すと執着しますが、それが愛なのかは疑問ですね。
――一モラ夫の人格って、先天的なものなのでしょうか。それとも後天的なもの?
- 本田先生
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人格って、育つ環境と生まれ持った気質で形成されるものなので、両方あると思います。座談会では母親との関係に注目されていましたが、親との愛着の問題は要因の一つかもしれません。
――先生はモラ夫のカウンセリングもされてるんですか?
- 本田先生
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今までにモラ夫から相談を受けたことはありませんが、夫婦でお会いしたことはあります。でも、話してみるとすごく感じがよくていい人なの!
――そこもこわい…。
- 本田先生
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モラ夫のカウンセリングって、難しいことなんです。奥さんに連れてこられたとしても、自分が変わりたいと思ってないと効果は期待できません。
モラ夫は「俺が一番」って思うことで自分を保てている。周りを叩いて自分を浮き上がらせることで安心する。そういう人が「人はみな平等」「夫婦は対等」という価値観を受け入れなきゃいけない。それって、自分が寄って立つ価値観が土台から崩れるようなこと。モラ夫にとっては大変なことだと思います。
――ああ、モラ夫が変わってくれる可能性は低そうですね
モラ夫の支配から抜け出すには

現在、モラルハラスメントを受けている女性が、その被害から抜け出すための方法が書かれた名著。