恋愛が全然わからん。なぜアプリで会った男はすぐ家に誘いたがるんだ。/oyumi

私は恋愛がわからない。やり方が全然わからない。好きが何なのかわかったのはここ2年くらいのレベルだ。
そんなんでも今まで何人かと付き合ってきたが、トータルの交際期間は1年にも満たない。はっきり言っていずれも交際と呼ぶにふさわしくないものだ。

oyumiさんが付き合ってきた人たちのイラスト

恋愛の手順はだいたいわかった。

まず誰かを好きになる→相手の反応を伺う→なんとなく相手も自分を好きそうだ→告白→晴れて交際!

……多分こうだ。よく考えたら私は交際すら何なのかもわかっていないんだが、その話もすると長くなるので今回はよしておこう。
私はこの2番目「相手の反応を伺う」から次のステップにいけない。というか、好きになったら次にやることが告白なのだと長らく勘違いしていた。なんと告白というのは一発逆転の武器じゃないらしい。これは陰キャ・非モテ軍にとって衝撃の事実だ。

そんな齢28にして恋愛とはなんなのかをなんとなく知った私は去年一瞬だが恋(多分)をした。
(多分)なのは恋心であることが確定する前に終わってしまったからとしか説明しようがない。
とりあえずややこしいことは置いといて恋をしたのだ。
今回はその話です。

アプリで出会ったZINEを作る男性

相手は久しぶりにマッチングアプリ経由で知り合った人だった。
ほんの少し年上、1人でZINEを作っているのだという。
共感してくれる人もいると思うけど、大人になると趣味よりも仕事の話が少しでも通じる相手でもないと会う気にならない。昔は顔さえ良ければなんでもよかったけど、歳を重ねると顔は優先順位からどんどん下がっていく。

というわけで、興味惹かれた私は彼と会うことにした。東京に引っ越して間もない9月ごろだっただろうか。
マッチングしたのは6月とか7月とかそのくらいだった。コロナというのもあるし、私もそのころは実家の静岡に暮らしていたので、とりあえずメッセージのやり取りだけでしばらく済ませていた。
はっきり言ってメッセージの時点で丁寧にやり取りできない人にろくな人はいない。彼はとても律儀であった
ZINEを作っているような人なら自分の仕事のことを知られても問題ないだろうと思ってInstagramのアカウントを教えた。彼もZINE用のアカウントがあるというので教えてくれた。彼個人のプライベートのアカウントは秘密にしたい様子だった。(まあ、私はきちんと彼のアカウントを把握していたのだが)

そんでようやく晴れて引っ越しが済み、会うことになった。
やってきた男性は非常に小柄で控えめ、そんでもっておじいちゃんのような声をしていた。
「(…なんか、弱そうだな)」
これも加齢あるあるだが、細い男性は好みのタイプから外れがちだ。
彼は引っ越し祝いに服をプレゼントしてくれた。なんと1万円越えのトレーナーである。値段が見えないように値札にシールがしてあったのだが、私はそれを剥がしてしまった。
……1万越えである。(2)
好意的に見てくれているとしか言いようがないんじゃあないでしょうか? それがたとえ恋愛的な意味でなくとも。
全然服を持っていない私は一気にテンションが上がった。

駅の近くのベンチでコーヒー片手におしゃべりすることにした。初対面にも関わらず割と話は弾んであっという間に時間は過ぎていく。
話の内容は主に私の仕事の愚痴だった。私はイライラしていたり焦燥感に駆られていたりすると、自分の話を延々としてしまいがちなところがある。
しかし彼は一緒に怒ってくれたりしてノリノリ。よかった、かなりいい人だ。
そもそも今更恋人探しでマッチングアプリなんて使ってもいないので、自分を良く見せよう気に入られようという気はさらさらない。だから特になんの期待も下心も抱いていなかっただけに、向こうはわからないが清々しかった。
時間を忘れ夜も更けた頃、解散した。

気になる人とキスする夢のイラスト

家に帰ると仕事を終えた同居人(友人)がいたので一通り報告をする。
おじいちゃんみたいな声だということを伝えたくて悪意のあるモノマネもした。
そしてその日の夜、私は夢を見た。
球場の客席の様な場所に私は座っていた。一個席を空けて彼が隣に座っていた。夢の中でもどうやらソーシャルディスタンスのようである。
私が横を振り向くと彼は体を乗り出して近づいてきた。
”ちゅ”
妙に生々しい唇の感触に私はびっくりしてしまう。そしてもう一度、
”ちゅ”
目を覚ます。目にうつるのはもちろん孤独な女が住む部屋の、ただの天井である。
男の姿はどこにも見当たらない。しかし間違いなくあのキスは本物のキスだ
「(も、もう一回したい…)」
そう祈って私は二度寝した。

夢の続きはもう見ることはできなかった。
ドキドキした。
※ちなみに、この彼と元カレ以外の人物とキスを含む性的なことをする夢はまだ見ていないので友人知人各位は安心してほしいなと思います

この夢に何も意味がないわけがない。脳は正直だ。脳には逆らえない。脳が言っている、これはmajiでkoiする5秒前だ。
とりあえずあの夢がなんだったのか、majiでkoiする5秒前を意味するのか、それとも2年間彼氏がいなくて性欲が悲鳴を上げているだけなのか、もう一度会って確かめたい。
確かめるためにはもう一度会うしかない。