「自分がどうしたいか」自分軸で彼と両親に伝える

現在はコロナ禍ということもあり、何度も地元に足を運ぶのは難しいでしょう。
でも、一度お母さんだけではなくお父さんも交えてリモートというかたちでも真剣に話し合ったほうがいいと思います。

「お父さんとお母さんのことがどうでもいいわけじゃないよ。これまで育ててくれたことに感謝してる」という前置きをしたうえで、「彼とのことがなくても地元に帰るつもりはない」「たとえ昔から地元にいてほしいと言われていたとしても、自分には自分の将来設計がある」「たとえ地元にもどったとしても、お父さんお母さんの思う通りの結婚をしない可能性は理解しているのか」「もしも2人の言うことを聞いて地元に戻ったとしても、わたしは絶対に結婚しないから。一時の気の迷いだって思っているかもしれないけれど、そう決めたから」「順番でいえば親のほうが先に死ぬ確率のほうが高いんだよ。わたしが死ぬまで独りぼっちになっても、親としてかなしくないんだね?」と伝えます。

親なんだからなんだかんだ理解してくれるでしょという甘えも少なからずあるので、「いいんだね? わたしが幸せになれなくて」「昔から一度決めたことは何を言われてもやめない性格だってこと、知ってるでしょ?」と脅しに近いことくらい言ってしまうかもしれません。

ただ、これだけではただのワガママだとしか捉えてもらえないかもしれないので、親の気持ちにも寄り添って「コロナが終息したら、長期休みにはかならず帰省するから」「(子供を持つ予定があるのなら)出産のときは里帰りする」「まめに電話やリモートで話そう」「もし2人が怪我をしたり病気になったりしたときは、サポートをするために一時的に帰ってくる」といった提案をします。
その場しのぎの嘘にならないように、彼としっかり話し合ったうえで実現可能な具体案を提示することで説得力は増すはずです。

ご両親と話し合いの場を持つ前に、彼にも現状を伝えておいたほうがいいと思います。
親に反対されていること、またその理由を説明したうえで、「それでもわたしはどうしてもあなたと結婚したい」「だから申し訳ないけれど、親を説得する力添えをしてほしい」と素直な気持ちを伝えることが筋ではないでしょうか。
そして先にもお話ししたように、結婚したあとの親との関わり方の擦り合わせをしておくことは必須です。
だからといって、彼を矢面に立たせるような真似はしてはいけませんよ。
彼を守れるのは、あなたしかいませんからね。
親への説得材料として「彼がこう言ってるから」「彼の仕事上仕方がないから」など、彼を主軸とした言葉を親に投げかけるのはご法度。
あくまでも、「わたしがこうしたいから」と自分を主軸にご両親と話し合いましょう。

これまで、あなたと彼が結婚する方向でお話しを進めてきましたが、彼と別れて地元に帰る選択をするのも、決して間違いではありません。
もしその決断をするのであれば、彼にも人生がありますからできるだけ早いほうがいいと思います。
あなたが彼にできる誠意ある行動は、その一点に尽きるのではないでしょうか。

もし、彼と別れて地元に帰るとしても、ご両親との話し合いはしておいたほうがいいと思います。
わたしだったら、「地元に帰るって決めたのは自分だからお父さんとお母さんのせいには絶対にしないけれど、今回はこちらが折れたのだから、地元でどういう風に生きていくかはわたしが決めるからもう口を出さないでね」と伝えて、納得してもらいます。
娘が心配だからという理由ではないのに(たとえそうだとしても、一人の大人を相手に限度というものがありますが……)、なにかにつけてあれこれ口を出され、そのたびに親に決められてしまっては、それが積み重なっていくうちに大爆発を起こしてしまいそうですからね。
たとえ地元に戻って彼ではない相手と結婚しても、両親と自分たちは別の家庭を築いていくわけですから、独立心は持っていたいと思います。

今回、あなたに「地元に帰らず彼と結婚したほうがいい」「彼と別れて地元に帰ったほうがいい」といった決断を促すことは、申し訳ないのですがわたしにはできないのです。
人生における大きな決断をするとき、中でもそれが相手との決別の可能性を孕んでいる場合は、相手がそれに対してどう感じるか、相手をどれくらい傷つけてしまうかといった相手を主軸に考えるのではなく、あなた自身がどうしたいか自分を主軸に決めてほしいと思います。
きっとそのほうが、後悔は少ないでしょうし、選んだ道で頑張れるはずです。
もちろん大事な存在なのでしょうが、「親がこう言ってるから」「彼を傷つけたくないから」といった誰かのために決断をすると、後悔は大きくなり、躓いてしまったときについその人のせいにしてしまいかねません。

とても大変な悩みだとは思いますが、あなたが一生懸命考えて決断だしたことは誰かに責められていいものではありませんから、どうかそれだけは忘れないでいただけたらと思います。

Text/ものすごい愛
Banner design/saori・tanaka

※現在、多数のご相談をいただいております。
ものすごい愛さんに順次回答いただく予定ですが、隔週掲載となるためお待たせしまうこと、すべてのご相談に回答できない可能性もございます。
誠に恐れ入りますが、何卒ご容赦くださいませ。(AM編集部)

『 今日もふたり、スキップで~結婚って “なんかいい” 』が発売!

『 今日もふたり、スキップで~結婚って “なんかいい” 』 / 大和書房/11月22日発売

結婚して、まる3年。夫婦、ふたり暮らし。
食べさせたいのはきれいに焼けたほうのハンバーグ、ついでにもうひとつ淹れるドリップコーヒー、 眠れなくて深夜に誘う近所の散歩…楽しい、楽しすぎる、楽しくってしょうがないぜ、結婚生活!
読むとどうしても幸せになってしまう。“ものすごい愛” にまみれたサイコーにハッピーな日常エッセイ!