カップル喫茶に潜入する前の決意
わたしの仕事の信条としては、潜入取材する際には、なるべく息をひっそりと顰めて観察者の立場をとることにしているのですが、この日は、「よし、絶対にヤってやろう」と考えた。というのも、どこぞの誰だか知らない男性とセックスをして、それが気持ちよければ、ひょっとして恋人に別れを告げる引き金になってくれるのではないかと思ったのです。
そして、その考えはまさに正しく、その場で会った適当なカップルの男性側とおセックスをした結果、「世界には男はごまんといるのだから、新しい恋人もすぐに見つかるはず」「どうしてもセックスがしたいのならば、ここに来ればいい」そして「浮気したことを、黙り続けているのも心苦しい」という気持ちの力添えを得て、別れを切り出すことに成功したのでした。
たかだか恋人に別れを告げるために、自らをそこまで背水の陣に追い込まなくてはいけないのかとも思いますが、自らバーストできないのならば、起爆剤を手に入れるしかない。もしも“別れるのが下手”“未練を断てない”という方は、ハプニングバーなどでインスタントセックスするのも一つの手ということで。そのセックスが全然気持ちよくなくて「やっぱり彼じゃなきゃダメ!」とますます別れられなくなるリスクも、まったくゼロではないですが。
Text/大泉りか
- 1
- 2