とにかく明るいセックスだった。彼女からのナイスすぎる提案/中川淳一郎

エロだけを目的とした女性との付き合いはこれまで何度かあったが、「あ、これはいいアイディアかも」と思ったのが、米倉さんとの数ヶ月間だった。当然米倉さんというのは仮名だが、米倉涼子似の美女で当時33歳だった。僕は32歳。

たまたま大人数の飲み会で会った彼女の家と僕の家は近かったため、新宿から一緒に歩いて帰った。「もう一杯飲まない?」と言われ、「ぜひ」と言ったのだが、朝の3時だったため、もう店はファミレスを除きすべて閉まっていた。

「だったらニノミヤさんの家で飲もうよ!」

翌日は土曜日だったため、会社に行く必要はない。僕は「ぜひ」と言い、2人でコンビニへ行き、ビールとつまみを購入した。僕の家は2Kで、「書斎」と題した机と椅子が2つある部屋、そして畳の「寝室」があった。

我々は書斎で「かんぱーい」と3時からの宴会を開始。彼女は先程の飲み会で50代のオッサンから「今晩セックスしない?」と誘われたことなどを明かし「マジっすか!」「あんなの絶対にイヤよぉ~」といった話もした。

我々2人は酒がかなり強いため、ビールを350ml缶5本ずつ飲んでもまだまだ飲めそうだった。このときは4時半になっていたが、再びコンビニへ向かうこととなった。

マンションのエレベーターに乗り1階のボタンを押したところで彼女はトローンとした目で僕を見て、抱きついてきた。身長170cm同士ということですぐに唇の位置は合致した。この時間であれば誰もエレベーターに乗ってくることはない。7階から1階に降りるまで僕らは延々ディープキスを続けた。

さらに350ml缶を2本ずつ買い、部屋に戻ったのだが、この「2本ずつ」というのは、彼女が選んだもの。僕はここに「2本飲んだら一発やろう」という誘いだと解釈した。男はエロのためであればいかようにも自分に都合の良いように解釈するのである。

部屋に戻った二人は…

そして部屋に戻り、再びの乾杯をし、ほぼ2本を飲み終えそうな段階で彼女はトイレへ行った。僕も膀胱は満杯に近かったので彼女に続いて小便をしに行こうと思った。

エロをするときは、互いに尿意があると煩わしいものである。この彼女の便所行きという行為は「私はもう、一発やる準備ができているから、あとはアナタ次第よ」というメッセージだと再び自分に都合よく解釈をした。

そして僕と彼女の酒の強さはほぼ同じなため、僕もほぼ同じ量をのみ終わっており、トイレへ行き、ほぼ透明の小便を大量に出した。書斎に戻り、最後のビールの一口を飲んだところでこう誘った。

「米倉さん、一緒に寝ない?」

こちらとしては、こんな美女が僕ごとき男と寝てくれるとも思わなかったのだが、「家に来てくれた」「酒を大量に一緒に飲んでくれた」「こんな時間まで一緒にいてくれた」という事実を基に「エロを拒まない」というなんとなくの確信を抱き、あとはどうでもいい! とばかりに意を決して誘った。

「もうエロしましょう!」

「いいね! ヤろう!」

かくして我々はそろそろカラスが鳴き始める早朝、セックスを開始したのだが、完全に2人ともぐでんぐでんに酔っ払っている中、とにかく明るいセックスだった。互いの性器を舐め合いながら「うわっ、突然大きくなった!」やら「しょっぱい!」などとやりながら、徐々に挿入に向けて2人の共同作業が続いていく。

今回初めて会った女性とまさかこんな状況になれるとは思わなかったのだが、恐ろしいことに、この日、我々の相性があまりにもよかったせいか、彼女は3日後も我が家に来てくれ、この日は3回のセックスをした。