彼女からのナイスな提案

そして、この日、会社に行く必要がある彼女はこう提案をしてきた。

「ねぇねぇ、ニノミヤさん、次回はウチでヤらない? 私、家の方が会社に行くにはラクなんで、交互にお互いの家を行き来しようよ。まぁ、週2回とした場合、ニノミヤさんの家は金曜日で、私の家は月曜日か火曜日か水曜日って感じで。どう?」

まさかのナイス過ぎる提案だったため、結局これから週に2回、互いの家を行き会い、セックスをする関係に僕らはなった。毎度場所が変わることは気分を変える効果があり、我々は最低2回、多いときは一晩で4回はセックスをした。

この日々も当然終わりを迎える。

「ニノミヤさん、私、彼氏ができたの。だからあなたはもう私の家に来られない。ごめんね」

一体自分の存在は何だったのだ! なんて怒ることはなく、僕は米倉さんとの数ヶ月間を「人生でもっとも楽しい数ヶ月」と今は捉えている。

Text/中川淳一郎