忘れられない相手になるために
前にツイッターで
「恋に仮に勝ち負けをつけるとしたら、
勝者は相手の心に多くのものを残した方。」
とつぶやいたら、かなりリツイートされました。
まあ恋愛に勝ち負けなんてないですけど、
別れた後も思い出してもらえるような相手になったほうが
嬉しいですし、私と同じで、自分が相手のことを考えるよりも
相手に多く自分のことを思い出してもらいたい、
っていう意地がある人もいますよね。
で、相手に忘れられない方法は2つあります。
1つめは、印象的な言葉を残すこと。
2つめは、日常に自分を想起させるものをつくること。
まず1つめについて。
言葉のプレゼントは、物と違って劣化しません。
印象的な言葉は、相手の心にいつまでも残り続けます。
はたからみるとタダの寒いやりとりなんですけど、
高校生の時初めて付き合った人に
「鼻の頭にニキビできちゃったんだけど、
これって誰かに想われてる証拠の
想われニキビなんだって」と話したところ
「じゃあそのニキビ治んねえな」と言われて
めっちゃ胸キュンしたのを
今でも覚えてるんですよね。
きっと言った方は忘れてると思うんですけど。
あと、大学時代に付き合った人が
「俺、この後誰かと付き合ったとしても
春香のことは一生忘れないだろうなー
誰とも違うから」って言ってくれたのとか、
自分の顔が嫌いでうじうじ悩んでいた時に、
「俺のタイプの顔なんだからいいの!」と
言ってくれたのとか、
今でもふとした瞬間に、思い出します。
こういう心に残る言葉って
狙っていてもなかなか出てこないからこそ
日頃から相手に、
好きな気持ちをいろんな表現で伝えることが大事かなと。
ちなみに私は、長年の研究により
どんな相手の心にも残る究極の言葉を開発したのですが
それはまた今後のコラムのためにとっておきます。
(書いたら私が使えなくなっちゃうし)
そして2つめは、
一緒にいた時につけていた香水、
聴いていた音楽、よく食べたものなど、
相手の心に自分を思い出させるきっかけのものを
たくさん植え付けること。
これは心理学では「アンカリング」と言います。
「パブロフの犬」と同じです。
これも狙ってやることではないですが
好きなものや嫌いなものをたくさん共有したり
それについて話すことで、
相手の記憶にはエピソードと共に刻み込まれます。
恋愛って、こうやって自分の居場所を
相手の心の中に増やしていく作業なのかもしれません。
人が生きていく意味を考える時、
死んだら一体何が残るんだろう?
という問いにきっと誰もが、
たどり着くと思うんです。
私は、ある人が死んでしまった時に、
その彼女、または彼の記憶が
誰かの心の中に残っていることが大事だと思う。
人の居場所は誰かの胸の中にしか無いんです。
そして居場所があればあるほど豊かな人生だと思います。
このコラムだって、
誰かの心の中に、私の居場所が欲しくて書いているようなもの。
いつか私がいなくなったり書けなくなったりした時も
誰かが私のことを、思い出してくれますように。
Text/伊藤春香(はあちゅう)
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