逆効果の気遣い
一時期デートしていた年上男性は、
非常にまめでしたが心配性で、
デートの前日に毎回
「明日、大丈夫?仕事忙しかったら、無理しないでいいからね!」と
メールが来ました。
最初は「丁寧な人だな」と思っていましたが、
さすがに毎回毎回聞かれるので
「この人ほんとは私に会いたくないんじゃ…」と不安に。
人は、自分が聞かれたいことを相手に聞くもの。
忙しくてキャンセルしたいのはほんとは向こうなのに、
自分からは言い出しにくいから
私が「すみません」っていうのを待ってるかな…と。
「大丈夫です!」とメールを送っても、
また当日に「今日は約束の時間で大丈夫かな?ほんと忙しかったら
キャンセルして全然いいからね」と返されたりして、
「いえ平気です!」と返すと
さらに「でも春香ちゃんの忙しいのはわかってるから、
俺はいつでも大丈夫だからダメだったら言ってね」と。
なんかもう、そこまで言われると
こっちのテンションも下がるっていうか。
今日断ったほうが彼、安心するのかな…とこっちも変に気を回したり。
そりゃ、仕事は仕事で忙しいんだけど、
そんなこと言ってたら一生会えないし、
たとえ睡眠時間をちょっと削ったとしても、
お互い無理しつつでも会うのが社会人の恋愛でしょうが…!
本当にやばいときはこっちから言うし、
そんなことも言い出せないキャラじゃないし、
仕事に支障が無いように、言われなくても調整するよ
こっちもいい大人なんだから。
「無理しないで」「会えなかったら別にいいよ」って言われすぎると
会うために早く仕事を終わらせようと頑張ってる気持ちが、萎えませんか…。
むしろ会いたいって強く言われたほうが、
「忙しいけど頑張るよ!」っていう気持ちがむくむく湧いて幸せ。
…ってことをマイルドに彼にも伝えたのですが、
何べん言っても治らないんですよ。
相変わらずのメールに、しまいには
だんだん腹が立ってきまして。
なんで私が毎回毎回
「大丈夫です」「会いたいです」って送らなきゃいけないの!
会うって決めたら普通会うでしょ!
なんなのそのくどい意思確認!
その、私がどうしても会いたいから会うみたいな方向にもっていく流れ、すごい嫌…!
過剰な気遣いにこっちが疲れて、その後その人とは疎遠になってしまったのですが、
最近デートした人が全く同じようなメールをするので
(もし読んでたらごめんなさい…)
つい昔のことを思い出して「こういうパターンの人、結構いるのかも」と、ふと。
男の人には「会いたい」って思ってもらいたい。
むしろ、「こっちは忙しいんだけど彼が会いたがって」ってほうが、
女子は嬉しいものだと思います。
他にも、
「こんな夜遅くにメールしたら迷惑だろうか」とか
「まだ付き合って日が浅いから一緒に旅行は早いかな」とか
「SNS投稿逐一チェックしてるのばれたらキモいかな」とか
「あんまり会いたいって男から言ったら重いかな」とか
そういうの、ほんといらないと思うんですよ。
男性が年上の場合に多発する傾向がありますが…
恋愛においては、無駄な気遣いはテンションを下げるだけ。
女子は、男の人の情熱に流されたい生き物なのです。
ぐいぐい来る人のほうが、夢中にさせてくれる気がする。
Text/伊藤春香(はあちゅう)