スマートスピーカーの困ったこと

しかし、このスマートスピーカーについて、最近少し困ったことがあります。夫と息子が、スマートスピーカーにどうしようもない質問を投げかけるという遊びを発見してしまったのです。先日もふたりしてキャッキャと盛り上がっているので、いったい何をしているのかと思ったらスマートスピーカーに「オナラして」を頼んでゲラゲラを笑っているではないですか。

スピーカー側も「オナラはできませんが、オナラの音の真似はできます。プップップップー」とクソ真面目に返すものだから、さらに我が家の男衆の笑いはエスカレート。そういえば、以前、某JR駅の乗り換え案内や周辺の飲食店情報を教えてくれる女性駅員タイプのAIサイネージが、セクハラをいなすような応対をするとかで炎上していましたが、スマートスピーカーにオナラをせがむのってどうなの?

とはいえ、大変ふたりは楽しそうではあるし、駅の女性駅員AIに「オナラして」と言ったらさすがに「おもちゃじゃないから遊ばないの」といなしますが、家の中の筒状の物体に向かって「オナラして」は、下品ではあるけれど叱るほどのことでもない。むしろ子どもらしくて微笑ましくもある。が、そういう「是か否か」の話はさておいて、驚いたのはスピーカーで、夫が仕事に行ってしまった後、息子がひとり、しつこく「オナラして」オファーを続けていると、「オナラですね。プーッ!」と返すようになったのです。さっきまで「オナラはできない」と言っていたはずなのに、この短時間に内蔵AIが進化した!? そのうちさらに進化して「サヨオナラ」とかギャグを言い始めたらどうしよう……。

Text/大泉りか