昨年8月に刊行した初めての新書『ひとりぼっちを笑うな』(KADOKAWA)が好評の蛭子能収さん。今回SOLO編集部は蛭子さんにインタビューを敢行。同書をヒントに独身女性にも活かせる“ひとりぼっちの流儀”について伺った全4回です。
第2回は、おひとりさま流「自己主張」の流儀に解き明かしていただきます。他人に干渉するのもされるのも嫌だけれど、自分の意見は他者にうまく伝えたい…いう方はぜひ読んでみてください。
第1回「自分の好きなことをしっかり持て!」もあわせてご覧ください。
人の上に立ちたいなら頭が良くないといけない
――この本のなかで蛭子さんは、自分が”いじられキャラ”になれば自分から無理に話しかける必要がなくていいと言っています。すごく面白い発想だと感じますが、誰しもがそういうキャラになれるわけでもないと思うんです。何か秘訣ってあるのでしょうか?
- 蛭子能収さん(以下、敬称略)
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それはもう、プライドをあんまり持たないことですよ(笑)。とにかく自分が下っ端であると常に思っていればいい。謙虚にしていれば、いじられてもなにくそって思ったりしないで済むし。もともとそういう風にいじられてなんぼの人間だと思うというか。そうすれば気が楽になると思うんですよね。
――なるほど……。
- 蛭子
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やっぱり人の上に立ちたいという人は、頭が良くないといけないと思うんだよね。
――確かに、真理ですね(笑)。
- 蛭子
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それで包容力もあって、知識もいっぱいないと。そういうものが俺にはちょっと足りないから、本当に。知識がもうちょっとあればね。
――いえ、蛭子さんは考え方そのものがすごく面白いです。おひとりさま女性って、「何者かにならなきゃ」という焦りがあると思うんです。夫も子供もいないなら、たとえば仕事で何か成し遂げないと自分には意味がないんじゃないかって……。
- 蛭子
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えっ、そうなの!?
――ちょっと極端な話ですけど、自分でキャリアを切り拓こうとしていくときって少なからず自己主張や自分を表現することが求められると感じます。でも別にみんながみんなそれを上手にできるわけではありません。そういうちょっと内向的な人はどうしたらいいと思いますか?
- 蛭子
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対人で主張ができないんだったら、まずはこっそり本の原型みたいなものを書くことが一番いいんじゃないかな。とにかく何でもいいから日記を毎日書いてみて、たまってきたらエッセイみたいにして、出版社に持っていけばいいんですよ。「私書いてみたんですけど、どうですかねって」。そんなにグイグイいくんじゃなくて、ちょっと笑いながら、冗談っぽくね。
――なるほど、出版社にもっていくというのは考えたことがなかったです……。
- 蛭子
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ダメでもともとって感じで行けば、断られても恥ずかしくない。出版社も新しい人をいつも探しているから、万が一「君、ちょっと面白いね」って言われることだってあるかもしれない。そしたらすごく楽しくなるじゃない。
書く内容はなんでもいいと思うんですよね、自分の好きなことで。自分はこんな風にして遊ぶのが好きだとか、こうやって時間を過ごしているんだとかね。ちょっとしたことを記録しておけばいいんですよ。すぐに持っていくんじゃなくても、いつか出版社に持っていってみようかなとか思ってやってみると面白いんじゃないですかね。俺、独身女性にはそういうのをすすめたいね。
――具体的な何かに結びつかなくても、毎日が楽しくなりそうですね。
- 蛭子
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楽しくなってくると思うし、出版社の人も書いた本は気に入らなくても、書いた人を気に入ったりして、そこからまた新しい遊び方が見つかるかもしれない。
――広がり方はなんだっていいってことですね。紙と鉛筆、パソコンさえあれば1人でできちゃいますしね。お金もかからないし、おひとりさま向けです。
- 蛭子
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もし何か表現したくて悶々としている人がいればですよ。なんにもしなくても楽しい人は、それはそれでいいと思います。
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