その土地に暮らす人の“好き”を頼りに
早いもので2019年が始まって10日あまりが過ぎました。お正月の雰囲気からすっかり日常に戻りましたが、皆さまはいかがお過ごしでしょうか?
2018年は純喫茶を205回訪れました。1年に3冊の書籍を出版したので、もっと多く足を運んだつもりでいたのですが、執筆や作業に取り掛からなくてはいけない時間が思ったよりも多く、外出できない休日が増えたからかもしれません(ちなみに、2016年の訪問回数は442回、2017年は343回でした)。
2018年はあまりに忙しかったため、2019年は少しゆっくりしようと考えるも、さっそく5日のイベント出演にあたり7日まで大阪に滞在していたので、気になっていたいくつもの純喫茶たちを満喫してきました。
大阪へ行くと時間の許す限り必ず寄るほど好きな、大阪駅前第1ビル内にある「King of Kings」、「マヅラ」。
そして、天神橋筋商店街「豆香」、西天満「潮騒」(再訪)、梅田「アリア」、東梅田「モンシェリー」、西田辺「爐多蓮(ロータス)、昭和町「コーネル」に。東部市場前「幸の屋」、西田辺「水車」、「チ・ケ」、「サンレモ」にも足を運んだのですが、定休日かまたは営業時間終了だったのか、入れずじまいでした(今回は、イベントでご一緒したタカ・タカアキ&ナイトサパーズ(from赤犬)や喫茶アオツキに伺ってお薦めのお店を主に巡りました)。
普段の生活から離れた見慣れない場所は歩いているだけでも楽しいものですが、そこに美しい純喫茶でひと休みする喜びが加わるとなれば、これほど嬉しいことはありません。
昔から旅に出ても、ガイドブックで紹介されている観光地を目指すことはほとんどなく、気になった電車に乗り、気になった名前の駅で下車し、気になる路地をひたすら歩いていく、というスタイルを楽しんできました。しかし、時間の限られている短い旅では、その土地に暮らす人たちに好きな純喫茶を伺ってそこを目指すのも良いものです。今回訪れたお店はどちらも素晴らしく、また必ず再訪したいと思ったのでした。
毎日のようにどちらかの純喫茶を訪れていても、行きたいお店はまだまだたくさんあります。しかしいつまでも営業を続けて下さるという保障はないので、気になったならば自分で時間を作って出掛けるしかないのです。というわけで、2019年も休むことなく、そこに純喫茶がある限り走り続けたいと思い直した1年の始まりでした。
今年も皆さまと素敵な喫茶時間を共有できたら嬉しく思います。よろしくお願い致します!
Text/難波里奈
次回は<他人を気にせず、ぼんやり過ごせる貴重な場所。高円寺「ルネッサンス」 >です。
忙しい毎日の中で「ひたすら一人でのんびりしたい」日もあるもの。難波里奈さんがそんな時に迷わず訪れるのは純喫茶「ルネッサンス」。美しい内装や流れる音楽に浸りながら、心を落ち着けられる場所です。
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