身近であるゆえに後回しにしてしまう、というのは意外と多いのではないでしょうか? 見慣れたものへの安心感、なくなるはずはないという勝手な信頼感…。
純喫茶にも同じことが言えるのですが、閉店してしまったらもう二度と訪れることはできないので、後悔しないためにも気になった店へは早めに訪れたほうが良いと考えるようになりました。
そこで最近まで近さゆえに、なかなか足を運べずにいた純喫茶にさっそく出掛けてきました。それは地下鉄東西線の茅場町駅にある「珈琲家」という店です。
現在、日本橋で勤務しているため、その気になれば徒歩で訪れることも可能なのですが、初めて行こうと思い立ってから10年近くが経っていたのでした。
改札を出て歩くこと2、3分。目当ての店名の看板が視界に入りました。どうやら地下にあるようで少し緊張します。
店内の様子が見えないため、席数はどのくらいだろうか、どのくらい混雑しているのだろうか、店主は気難しい人ではないだろうか、色々な不安や期待と一緒に階段を降ります。
扉の向こうに見えたのは、可愛らしいデザインの赤い椅子たち。夕方遅くの訪問でしたので、先客も少なく、一番奥の端というとても好きな席を確保できました。水を運んできて下さった男性も、カウンターの中にいる女性もやさしそうな笑顔でほっとします。
この日のお目当ては「とんでもないほど分厚い」と噂に聞いていたホットケーキ。
飲み物は何にしようかとメニューを眺めると、<アレンジコーヒー>の欄にフランス風、オランダ風、アメリカ風、北欧風、イタリア風、アイルランド風と思いがけない楽しげな文字たちが。
迷ったあげく、今回は「オランダ風」を注文。ココア入りの珈琲の上に生クリームが浮かべられたものでとても美味でした。それぞれ味の説明がされていますが、直感で頼んでみるのも面白いかもしれませんね。
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