聖観音像と相席?店内の至るところに仏像がある純喫茶『篝(かがり)』

「ひとり純喫茶」をご覧下さっている皆さま、新年はもう純喫茶に行かれましたか?

私は元旦に新宿三丁目にある、24時間営業の「珈琲貴族 エジンバラ」を訪問しました。こちらの名物は、店員さんが珈琲とミルクを高い位置から注いでくれるカフェ・オレ。カップに到着するまでの時間、空気を含んでミルクがやわらかくなる効果があると聞きますが、何よりもその圧倒的なパフォーマンスを見ているだけで楽しいのです。

純喫茶へ行く理由はいくつか挙げられますが、人によって様々だと思います。例えば、店内のインテリアや建築に興味がある方、美味しいメニューや珈琲を求める方、個性あふれるマスターたちとの会話がお目当ての方…。色々な要素が組み合わさって楽しいひとときは成り立つもので、私もその時々の気分によって訪れる店を決めています。

1700軒訪れた中で、初めて出会った「仏像のある純喫茶」

さて、そんな私が新年早々に選んだのは、念願だった「店内の様子がかなり特殊である」純喫茶。大阪で暮らす知人たちから話を聞いて以来、気になって仕方がなかった「篝(かがり)」です。「かがり」とは、かがり火を焚く時に使用する“鉄製のカゴ”を指し、こちらの天井にも吊るされています。

さらに、このお店を表す最も強烈なキーワードが「店内の至るところに仏像がある」ということ。全国1700軒ほどの純喫茶を訪れ、数えきれないほど個性的な店と出会いましたが、仏像があるお店は初めてでした。

大阪の新大阪から御堂筋線でなんば駅へ行き、そこから千日前線に乗り換えて玉川駅へ。駅から少し歩き、商店街に入ると目当ての「篝」が見えてきます。

純喫茶 篝 かがり 大阪・玉川・篝(かがり)

まず視界に入るのは、入口で堂々と待ち伏せる等身大の仏像。近所に住む方たちには日常の風景なのかもしれませんが、初めて見た時のインパクトは想像以上のものでした。

純喫茶 篝 かがり 大阪・玉川・篝(かがり)

扉を開けると仁王像をはじめ、店内の至るところに巨大な仏像が配置されています。圧倒的な存在感を誇る千手観音像、一本の太い木を削って作られた不動明王像、席の隣で見守ってくれているよう聖観音像…。座る席によっては相席のようにも思えますので、1人で訪れてもさみしくないのかもしれません。

純喫茶 篝 かがり 大阪・玉川・篝(かがり)

しかし、マスターのご自慢は実は仏像よりも店内中央にある巨大な焙煎機でした。