孤独な時間を楽しめますか?
「一人で生きていくために」なんていうと、妙に肩に力が入っちゃってなんかヤダ……と思う人もいるかもしれません。今は一人だけど、この先もずっと一人で生きていくと決めたわけじゃないし、とか。
だけど、ものすごく端的な事実として、今一人だろうと一人じゃなかろうと、死ぬときばかりはみんな一人なんですよね。
夫がいたとしても、平均寿命からすると女性のほうが長生きする確率が高いわけで、既婚の方であっても夫に先立たれた後の何年かを一人で過ごさなければならない可能性は十分にあります。子どもがいたとしても、今どきは、子供に老後の面倒を全部見てもらおうなんて考えの人は少ないはず。だから実は、「一人で生きていく」力を養わなくてもいい人なんていないんです。
さて、では一人で生きていくために必要なことって、貯金とかそういう実務的なことをのぞくと、いったい何があるでしょう。
私が思うに答えは二つあって、一つは「コミュニケーション能力」。夫に先立たれても子どもと離れて暮らしていても、まわりに友達がいれば寂しくないですよね。ただし綾小路きみまろみたいなことをいうと、その友達ですら時が経つにつれバタバタ死んでいくと思うので、一定の仲間と密な関係を築き上げられる力よりは、どんな国籍・年齢・境遇の人ともゆるく仲良くなれる力、みたいなものを想定しておいたほうがよさそうです。
そしてもう一つは定番ですが、やっぱり「一人で孤独な時間を楽しむ力」ではないでしょうか。
どのようにしたら、一人で孤独な時間を楽しめるのか。これについては、手を替え品を替え様々なことをいろいろな人が語っているので、いささか手垢がついた話題ではあります。そこで、これは一つの仮説なんですが、「ずっと継続してやっている何かを持つ」というのはどうなんだろうと思ったんです。
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