私っぽい年越しをした
Julie Tupas
カウントダウンの瞬間には、ほとんど記憶がなかった。べろべろに酔っぱらって記憶をなくし、いつの間にかホテルのラウンジスペースで眠ってしまったらしい。つい7時間ほど前に知り合ったスウェーデン人に肩を優しく叩かれ、「Happy New Year!!」と言われた。時計を見ると、12時を過ぎている。私の2019年は終わりを告げ、そして新しい年が来たのだと意識もあいまいなまま悟ったのだった。
今年の年末年始は、インドのクジャラート地方というインド国内でも最も観光客が少ない地域で過ごしていた。特に31日、私は港町のデーウという場所にいた。クジャラート州は法律上、酒が飲めないのだが、元ポルトガル領であるこの街は例外で、至るところにバーがある。
紆余曲折あってホテルの主催するカウントダウンパーティーに参加してみると、ビールや赤ワインがきれいに列をなしている。テーブルに置かれた酒をものすごいスピードで消費し、大音量のインディアンソングがかかる中、明らかに金を持っているであろうインド人たちと踊り、写真を撮り、現地で知り合った友人と話をしているうちに、なぜかホテルのラウンジで眠っていたみたいだった。
……私っぽい年の越し方をしたな、と思う。
私は、酒にそれほど強いわけでもなく、そして死ぬほど酒癖が悪い。特に今回は15時間かけてバス移動した当日の夜ということもあってかなり疲れていたらしく、ガバガバ飲んだ後に気を失うかの如く眠ってしまったのは幸いだった。誰かに暴言を吐いたり、距離感のわかっていない絡み方をしたり、ものを投げたりしていなくて本当によかった……しかも、知り合ったばかりの方に。ウンウン。
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