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最近、わたし怒りすぎ?アンガーマネジメントの先生に聞く「怒り方のコツ」

身近な人に対し、些細なことでイライラしてしまう人は多いのではないでしょうか。怒ることは本来、とてもエネルギーを使うこと。できることなら、恋人の振る舞いや上司の理不尽な態度、はたまたネットの炎上騒動に、心を消耗させられたくないですよね。

そうは言っても、ムカつくものはムカつくし……というのが正直なところ。私たちは、自分の “怒り”をどう処理していけばいいのでしょうか?

日本アンガーマネジメント協会の小尻 美奈さん 小尻 美奈さん

そんな“怒り”とうまく向き合う方法として、「アンガーマネジメント」という手法があるそうです。今回は日本アンガーマネジメント協会のファシリテーター、小尻 美奈さんに“怒り”との付き合い方を聞いてみました。
怒りの感情をコントロールできれば、恋愛にも仕事にも役に立つはず!

「怒らなければよかった」と後悔しないこと

──そもそも、アンガーマネジメントってどういった考え方なのでしょうか?

小尻 美奈さん(以下、小尻)

アンガー(怒り)をマネジメント(管理)する、という言葉から「怒らない人になる」ためのスキルだと誤解されることがあるんですが、実はそうではありません。私たちの協会では、アンガーマネジメントを「後悔しないこと」と定義しています。

──後悔しない、というと……?

小尻

過去を振り返ったとき、「あんなに感情的に怒らなければよかった」と後悔することってありますよね。反対に、「あのとき、ちゃんと嫌だと伝えて怒ればよかった」と後悔することもあると思います。“怒り”の感情を上手に扱えなかったときって、怒っても怒らなくても後悔してしまうんです。

だからこそ、自分にとって“怒る必要のあること”と“そうでないこと”をしっかり見極められるようになりましょうというのが、アンガーマネジメントの目指すところです。

後悔

──じゃあ、「絶対に怒っちゃダメ」というわけではないんですね。

小尻

そう、自分にとって怒る必要のあるときは怒ってもいいんです。ただ、怒鳴るとか殴るといった、相手を責めるような怒り方はNGですけどね。

──なるほど……。たしかに自分の身を振り返ってみても、怒りの感情をうまく扱えずに後悔したことってすごく多いです。

小尻

恋愛においては、怒りを爆発させたせいで恋人と別れることになってしまった、なんてケースも多いと思います。若いときって特に、恋愛がうまくいかないと仕事でイライラしてしまったり、逆に仕事がうまくいかないと恋人に当たってしまったり……なんてことありませんか?

──ありますね……(その場、全員うなずく)。

小尻

自分の感情と上手に付き合えるようになると、大切な相手とも尊重し合えるし、恋愛が原因で仕事の生産性が落ちることもなくなります。アンガーマネジメントができるようになると、いいこと尽くしなんですよ。

「LINEがなくて寂しかった…」裏の気持ちを伝える

──いま、怒る必要があるときは怒ってもいい、という話が出ました。では、どうやって怒るのが“いい怒り方”なんでしょう?

日本アンガーマネジメント協会の小尻 美奈さん 小尻 美奈さん
小尻

そもそも怒りが生まれるのは、自分の中の「べき」という気持ちが目の前で裏切られたときなんです。私たちはそれぞれ「浮気をするべきではない」とか「デートは男性がお金を払うべきだ」のような「べき」を持っていて、そこには自分の理想や願望があります。

怒るときはどうしてもそれを感情的にぶつけてしまうことが多いんですが、本来は、自分はこうしてほしいという“リクエスト”を相手に伝えるだけでいいんですよ。

──なるほど……! ただ、女性が怒って相手に何かを伝えようとすると、それが正当な怒りであっても「ヒステリーを起こしてる」と言われがちなのが気になります。

小尻

「女性は感情的な生き物だから」って言われることがありますよね。私は必ずしもそれが正しいとは思わないのですが、講座でいろんな方のお話を聞いていると、たしかに女性には、自分の気持ちを言語化できる人が多いと感じます。相手に怒りをぶつけたくなったときにも、そのスキルを上手に使ってほしいんです。

これは怒りの構造の話になるのですが、怒りは“第二次感情”と呼ばれているんですよ。感情が氷山だとしたら、怒りはあくまで氷山の一角で、その下には他のいろんな感情が潜んでいるんです。

──他の感情、というと……?

小尻

たとえば、恋人とデートの約束をしていたとします。待ち合わせの時間を過ぎてもまったく連絡がこなくて、1時間経ってようやくきたLINEが「ごめん、急な仕事で今日行けなくなった」だったら、カーッときますよね?

──きますきます。連絡くらいしてよ! と。

小尻

ですよね。ただ、カーッときているときって、その裏に「何かあったんじゃないか」という不安や、「ないがしろにされて寂しい」という感情も同時に潜んでいるはずなんです。そのような怒りの裏側にある気持ちが第一感情で、形を変えて現れたものが第二次感情の「怒り」なんです。怒りたくなったときは、この本当の気持ちである「第一感情」を伝えるようにするといいですよ。

「怒り」
小尻

具体的には、「忙しくても連絡ぐらいできたでしょ!」と怒りをぶつけるのではなく、「すごく楽しみにしてたから残念だった」「1時間も待って寂しかったし、連絡もくれなかったから心配してたよ」といった伝え方にすると、相手も「悪かったな」って思いますよね。

──たしかに、受ける印象がまったく違います。

小尻

ポイントは、「私」を主語にすることです。「あなたっていつもこうだよね」とか「なんでそうするの?」とか、相手を責めているときの言葉は、相手が主語になってしまっているんですよ。それを「私はこう感じた」「私はこうしてほしい」という自分主体の言い方に変えるのがコツです。